第17話 遅れて到着

【すみません、遅くなりました】


  全員揃ってない。そうとう遅れてるんだ。この大規模遅延は続いてる。それにしても、さきさん、るいさんは泊り込みって凄いな。


さきさんは、


【みさき、このデータ分析変わってくれる?】


【解った。一旦戻って仮眠してくれば?】


本当は戻って寝たいよな?さきさん達。


 さきさん立ち上がりとほぼ同時に、倒れ込むようになり、無意識に腕を出して支えた。


【危ない!さきさん、大丈夫ですか?】


【ありがとう、はると…あー、もう汗かいてるのに、はるとに…もうヤダ!背中、触れられちゃった…ショック!】 


【そんなこと言えるなら、大丈夫ですね】


みさは、そんな様子見て…


【その状態で家まで戻るのは危ないですよ。ここで少し休んで、回復したら帰ればいいんじゃないですか?電車も遅れが続いているようだから】


 確かに危ないな。さきさん、泊り込みの割には、全然汗の匂いしない。僅かな香水の香りくらい。


【救護用ベッド用意するから、会議室に】


みさきさん、ナイス判断!


さきさんが、


【はると、いつまで抱いてくれてるの?】


あっ、忘れてた!


【あっ、すみません。離れますね】


【私、汗臭いから…でも支えてくれてありがとう。汗かいてなかったら…】


えっ、何だって?聞こえない。


【はるとくん、ありがとう。私がさきを支えながら行ってくる。すぐ戻るから、ここ、出来るとこまでお願い】


【みさきさん、解りました。さきさんのこと、よろしくお願いします】


みさきさんが、さきさんと救護用ベッドに。


………………………沈黙………………………何?


みさは、 


【さきさん、抱いてくれてるの?って言ってた。たぶん嬉しかったんだ】


【その部分のみ抜粋すると誤解あるよ】


【そうだよね、私の悪い癖だ!はるととさきさんってこういうこと多いから。でもはるとが支えなければ危なかったね】


 危なかったからとっさに手が出たよ。あの角度だと頭とかぶつけて脳震盪起こしていたかも。さて、何をしたらいいのか…何から手を付ければ…


【みさきさんに言われたけど、どうしたらいいのかな?所長は?どこだろうな。聞く人いないしなー】


【はると、この数値って、異常だよ。磁気変動に関する数値全部。これが通信機器に悪さをしてるのかな?】


【記録の最初は…10年以上前に?そこから始まってるのか?解らなかったんだね。こういう機器が出来る前にはね。さきの納品した製品の性能のおかげ】


【私は納品しただけだよ】


みさきさんが戻ってきた。


【ごめんね、遅くなって】


【さきさんは?】


【寝てる。汗かいでるのに、はるとと触れて、ショックみたい】


【そんな…臭くないのに】


【はるとの前ではね。何故か、さき変わるんだよね。あっ、みさちゃん。さきがはるとを奪うとか無いからね。安心して】


 きっと弟のことだろな?さきさん。でもこれは言えないな。俺とレイジさんしか知らないから。


【みさきさん、大丈夫です。はるとの幼なじみのこともいろいろあって…でも信じてますから】


 みさきさん、じっと全身を見て、何ですか?頭、肩、腰、太ももを順に触れてきて、


【はるとくん、モテんるだね。女性から見て安心する体型なのかもね】


【ちょっと、みさきさん。いくら何でも、はるとにそんなに触らないで下さい。さすがに嫌です!】


【ごめんなさい。気をつけるね。ここ交代するから、所長達のとこに行って。納品された機器のことでなんかあるみたい】


【はい…】


 みさきさん、悪気ないけど、変に気まずいです。


【みさ、ごめん】


【はると悪くない。みさきさんも…私が自分が嫌だ!もう、くだらないことでヤキモチなんて。独占欲強すぎだよね】


【みさは普通だよ。俺が逆だったとしても嫌だよ。海でレイジと話していたみさを見て同じ気持ちだったから】


【私はそれ。嬉しかったけど】















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