第3話 さきのこと

 何から話そうか。これからのこと、俺がこの近くのさきさんの経営しているホテルで働くこと。と言っても希望はこの海での仕事なんだけどね。


 当然ながらびっくりされるよな。ここで働くって言ったら。どのように伝えるか。


【あのね、みさ、ここのホテルで働くことになってるんだ。すぐでは無いけどね、半年くらい先に】


【そうなの?仕事は、さきさんとこの研究所は?】


【半年くらいで目処だったら退職する。ここのホテル、さきさん経営してるんだ。それでね、俺が応募して通ったけど、すぐ辞めると困るらしいから、そこでさきさんがうまく調整してくれて】


みさ、何か元気ないな。暑さにやられたかな。


ふ~とため息。みさ、やはりおかしい。


【さきさんとの縁、切れないね、はると。やっぱさきさんのことさ、もう気になっちゃうよ】


【何でも無いんだよ。姉、そう!お姉さんみたいな】


【そういうのからさ、恋に発展ってあり得るじゃない?ほんとに私と、ごめん。ヤキモチ焼きなんだ…嫌になっちゃう、自分自身でほんと嫌に…】


 みさ、心配なんだな。付き合うって伝えないと、不安になるだけだ!


【みさ、ちょっと】


【何で?】


チュ😚!


【はると?びっくりしたよ。でもなんか嬉しいな】


【信じてよ、みさ】


【ありがとう…はると、こういうこと出来るんだ、りなとも、こういう始まりだったの?】


【…ごめん、忘れたよ…】


【はると、嘘バレやすいね、そのほうが安心できる。誰かを好きになったらすぐ解るからね】


【そんな心配御無用!】


………………………数分後………………………


【そろそろアクティビティの時間だよ、みんな集合!!そこ、いちゃいちゃしない!】


 さきさんと声が響く。バナナボートか。昔からあるね。これ引くマリンジェットの操縦とかやりたいな。さぞ楽しい仕事だろうな。


【あれ、みさ!👕着た状態でやるの?】


【日焼けしゃうから、着ていたほうが…】


【あっ!ラッシュガード!車だ!持ってきてるんだ、みさやはるとの分も、レイジ取ってきて!】


【解ったっす】


 なんかレイジ可哀想だな。さきさんの言いなりで…俺も行こう。


【さき、ごめん、俺も行ってくるね】


【うん、ありがとう】


レイジを追っかけて、結構遠くに止めたから。


【すみません、俺も取りに行きます】


【いいんすか?さきさん残して】


【みさがついてるから大丈夫です。あの、ちょっと聞きたいんですが、さきさん厳しくないですか?】


【俺にっすか?いいんです。それでさきさんのツラさを少しでも緩和出来るなら】


【さきさんの?自由奔放に生きている感じで、仕事も出来るし、あのように容姿も自信あるようだし、何がツラいんですか?】


【はるとさん、絶対に内緒にしてくださいよ。俺しか知らないことなので】


【解りました。約束します。あと、っすって語尾聞きづらくて、すみません】


【了解っす。あっ、ごめん。直します。実は、さきさんって、年下の男性に何かと、そんな感じしませんか?はるとさんにも】


【そう言えば、今日も迎えに来るって。みんな直行の方が早いからとか】


【はるとさんのこと、さきさんは好きなんですよ】


 えー、それは、ちょっと…みさと付き合うことになったばかりなので、それに年上の女性って。まぁ、素敵な人に変わりないけど、上司だしね。


【困ったな~そんな年上の女性と…】


【違うっす!意味が違うっす!、あっ、直します】


【無理しなくていいですけど、俺はちょっと…】


【さきさん、弟さん、事故で亡くしてるんです】


【えっ!そんなことあったんですか?】


【詳しく話しますねっす】


 無理して、っすって言ってないか?それは置いといて、気になる!凄く気になる!アクティビティの前に知っておきたいな。


さきさんに接すること変わるかもしれないからね。










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