第6話秘密と慕う始まり
あれあれ誰かと思えば、弱小の魔王軍
じゃあないですか。
あなた達みたいな輩がいるから、
威厳というものがないのですよ。
魔王様は優しい。こんな私を
受け入れてくれた。
褒めてくれた。
慕う人も増えたし、憧れに一歩近づいているのです。
こんなに器の大きい方は会った事ないです。
どうだかな。あんな魔王のどこがいいのか
私にはよく分からないがね。
分かった。お前、あの魔王に惚れてるんだろ。だから否定するんだろ。
魔王様が好きなのは認めるけど、
恋愛の好きとは違う。
どうせ心から想いを抱いてるくせに。
あなた達が忠誠を誓わないから
何も変わらないじゃない。
あんな魔王と共に過ごすなんてのはごめんだね。強さも威厳もねぇやろうに。
支えるとは思えねぇな。
魔王側についたお前に話す事は何一つないんだよ。聞く必要もねぇんだよ。
価値も興味もこれぽっちも抱かないがな。
あれが不良魔族の考え方か。
まぁ確かにそうだよな。
強いものに惹かられるものは、
そちらを選ぶ。それも一つの考え方。
だからと言って、間違ってるとも
思わない。
強さが正義。支配力、圧倒される実力差
魔族としての存在意義。
ついて行こうと思えるカリスマ力。
考え方は色々だが、
魔王軍にはそれを補えるだけの
実力もない。
だから舐められるんだろうな。
きっと。
だが自分達のペースで、自分達のやり方で
やればいいのだろう。
私達、魔王側の魔族は
前世の記憶がある。
それは。魔王本人も覚えてない記憶。
それは一つの記憶喪失の部類ともとれる。
私達がなぜ。そこまでして忠誠を誓うのか。
それは。昔同じ時間を過ごした事が
ある。それは人間の時ではなく、
まだぬいぐるみとして。
ある日突然、路上に捨てられた
時に拾われたのが姉である。
心の優しい少年は綿が出てた時、
縫ってくれていた。
そして姉の家族として生まれたのが
私。輝夜。
ずーと離さないでくれた。
布団の横。お守り代わりにリュックの中
それほど私達を愛してくれた。
少年のいとこにあたる人と喧嘩もして
私達の取り合いの時もあった。
けど、譲る事はなかった。
少年にとっては、大切な家族として
思っていたから。
そして三人目のぬいぐるみを作った。
両端に私達がいてお腹の上に乗せる
子が欲しい。そして強い自分を想像して
作られたのが今の白夜。
コミュケーションは苦手だった少年が
あの子には映ったのだろう。
可愛い物好きだった少年は
かっこいいやり可愛い物好きに惹かれた。
服やオタク精神は男性ぽいが
そんな性格のためいじめられてる事も多く
よくボロボロになって帰ってくる事は
多かった。それでも私達の事が好きで
それを生きがいとして最後まで
生きてきたのだ。
そして私達はもし生まれ変わる事が出来るなら、共に一緒に最後までついて行こう。
何があったも支えてあげたい。
それの記憶が私達にはある。
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