第4話 あなたなんかに
私と結菜は、ハウステンボスを巡った。
結菜は楽しそうだが、私は微妙な気分だった。
凛は弁が立つ。
結菜は感情的になりつつある。
このままだと何か起こりかねない。
女子校の私たちは、よくある話なのかもしれない。
先生が横を通る。ラッキーなことに女性の先生だ。
「ちょっと先生とお話してくるから待っていてね」
結菜はオランダ人から買ったアイスを食べてのんびりとしていた。
「いってらっしゃい」
先生、実は凛と芽衣が仲が悪くなってしまったんです。原因は私にあります。私は...
「ストップ!すぐに自分を責めるのはよくないわよ。ただ、暴力沙汰になるようだったら言ってね。私が責任を取るから。」
暴力沙汰...。洒落にならない。本当に起こりかねない。
私と結菜が風車の近くへ行くと、凛と薫の二人とばったりと会った。
ばったりって、不味い、非常に不味い。
結菜は、突然私の腕に自分の腕を組んだ。
「何もとって食ったりしないって。」
優しくて活発な結奈はどこへ行ったのだろう。
「結菜、いつもの結菜に戻ってよ。優しくて人気者の結菜に。」
「芽依…。」
「じゃあね。私と薫は退散するわ。またホテルでね。」
「あんたなんかに、芽依は渡さない」
「ハイハイ。両思いか片思いなのか知らないけれども…。」
「…。」
「芽依?」
私は熱い眼差しで凛を見ていた。
今日もキレイだな。
今日も夜に気持ちいい事をしてくれないかな?
そんな事を言ったら、芽依は私と凛をボコボコにするんだろうな。そう思っていた。
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