第2話 取り合い
目が覚めた。
私は起きる前に首に違和感を覚える。
凛が私に腕枕をしていたのであった。柔らかくて気持ちがいい。
結菜が起きた。
結菜の目線は凛の寝顔に刺さる。
凛は起きて、大あくびした。
結菜は凛に一言。
「何やっているの」
「何って、さあね。そんなに怖い顔をしたら、芽依に嫌われちゃうわよ」
凛は食堂へと足を運んだ。
結菜の凛への嫌悪感からくるオーラが凄い。
「芽衣は隙ばかりだから、凛に振り回されるのかもね。今までどれくらい嫌がっていたと思う?それが何で凛に気持ちが傾くの?」
私はハイペースの結菜につられて食堂へと足を運ぶ。
薫はノンビリとマイペースで向かう。
食事は班ごとに分けられていた。
テーブルに置かれた食事。鮭の塩焼き、卵焼き、具沢山味噌汁、ひじきなど
「お先に」
昨日の身体へのキス。朝の腕枕。
私は凛がわからなくなった。この人は光と影がある。私には両方使ったみたいだ。
以前もこんなことがあった。
学校の外のトイレ掃除の時、床はもちろん濡れている。私がトイレ掃除をしていると、凛が一言。
「何を真面目に。こんなの意味ないでしょ」
とモップを1回振り回した。
驚いた私は、濡れた床で足を滑らせ、壁に頭を叩きつけられた。すると私の意識はなくなった。
気付いたら私は病院の天井だった。
そばには凛がいた。夕方、面会用の椅子に座ってこっくりこっくり、うとうとしていた。
凛がナースコールを押した。
「目が覚めましたか」
看護師は医師を連れてきた。
「脳振盪だったのしれませんね。一通り検査はしたので、明日には退院できそうですね」
凛はしおらしくこう言った。
「悪かったわね。こんな事になるなんて。あなたのご家族が来るだろうから、私は帰る」
「待って、帰らないで。家族が来るまで一緒にいて……。」
「あなたおかしいんじゃない。怪我をさせた本人に甘えるなんて。」
「おかしくないよ。凛はたまに優しい」
そこで、私の家族はお見舞いに来た。
父・母・兄だった。
「にいちゃん心配したぜ」
「担任の先生から聞いたわよ。特定の子にいじわるされているんだって?」
「最悪、弁護士に相談してみるかな。」
それから凛は、私へのいじわるをやめた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます