第271話

「会議室は空いてるか?」


「はい、ギルドカードをお願いします…サラ様ですね。ご利用の…」

 サラさんがギルドの職員さんとカウンターを挟んで話してる…


「ここが資料室なのね」

 ギルドの二階なんて初めて来たわ…こんなところに部屋があったのね。

 サラさんが話してるうちに少し中を見てみようかな…


「資料を見るのはいいけど、汚したり破いたりするなよ?弁償になるからな」

 ケイト、そんな当たり前の事いって…子供扱いしないでくれる?


「そんな事しないわよ…『サルでもわかるダンジョンの歩き方—聖都編—』だって。猿に読ませたのかしら?」

 一番目につく資料を手に取ってみたら、猿でも分かるんですって…最近の猿は知能が上がったのかしら?


「そんな訳ねーだろ…子供かよ」

 …だから、子供扱いしないでくれる?


「会議室が借りれたぞ。行こうか」

 取れたのね!さっそく行きましょう!




「先にケイトとメグに宝箱を渡しておく」

 資料室の中には会議室と書かれた部屋が二つあって、どちらも空いてたみたい。

 部屋に入ると最初にサラさんが宝箱を渡してくれたわ。


「確かに」

 私とケイトに8個ずつで、合計16個、頂きました。


「ありがとうございます!それじゃ、私もバフの前に…」

 宝箱8個よ!まだ先の話だけど、ミヤマさんに買い取って貰えばこれで200万Gよ!

 嬉しくなっちゃったから、おまけしてあげちゃうわ!


「お!回復か!」

 聖属性魔法で回復してあげたわ!ミヤマさんほどでは無いけど、なかなかでしょ?


「メグ、魔力は大丈夫なのか?」

 サラさん、私の魔力を気に掛けてくれるのね。でも…


「大丈夫です。ダンジョンに居る間に魔力は回復してますから」

 触手の指導で散々魔力の吸収はしてきたからね。ダンジョンの空気は魔力が豊富だから吸収させて貰ったわ!


「そうか、メグは聖属性魔法使いとしても優秀なんだな…これはバフも期待できるな」

 触手の関係で身につけた技能なのに、聖属性魔法の評価が上がっちゃったわね…何だか解せないわ。


「ありがとうございます。今度はバフを掛けますね」

 聖属性魔法だってレイラ先生に教えて貰ってしっかり使えるんだからね!

 二人とも、行くわよ!二人の能力が上がるイメージをしながら聖属性魔法のエネルギーを流すと…


「これは…けっこう上がってねーか?」

 キャシーさんが手を握ったり開いたりして効果を確認すると、ちょっと驚いてるわね。


「…上がってるな。大したもんだ」

 そうでしょ?サラさん…今度は聖属性魔法を使って評価されたから嬉しいわね。


「関心してねーで、早く宝箱を開けてくれ。俺も結果が気になってるんだからよ」

 ケイト、せっかちなんだから…


「そうだな…開けるか」

 どうなるのかしら?楽しみだわ!

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