第270話

「それはいいですけど、バフなんか掛けてどうするんですか?」

 バフってあれよね?聖属性魔法のエネルギーで身体強化みたいな事をするのよね?

 ひょっとして、今から追加で宝箱を集めに行くって事?


「いい物が出るかも知れないだろ?」


「…バフで?」

 サラさんの言ってる意味が分からないんだけど…私がおかしいの?


「あー、メグは何も分かってないぞ。最初から説明してやってくれ」

 ケイトは分かってるの?それならケイトが最初から説明してくれればいいのに…


「そうなのか?…メグもレベルが上がると強くなるのは知ってるだろう?」

 それは養殖のお陰で凄く実感してるわ!


「はい、それは知ってますけど…」

 でも、それと今の話と関係があるの?


「ステータスという概念があるんだが…レベルが上がると強くなるのは、ステータスが上がるからだと言われている」

 強くなってるんだから、何かが上がってたっておかしくないわよね…それをステータスと言うのかは別としてね。


「そうなんですか…」

 それは理解できるわよ?でも、まだ宝箱と結び付かないんだけど…


「ステータスは幾つかあるんだ。力だったり知力だったりな…それに、運もある」

 ステータスには運もあるの!


「運が上がれば、宝箱からいい物が出る…」

 繋がったわ…運が良ければ確かに宝箱を開けるのには有利かも。


 まだカレンさんに引率されてた時の魔石のドロップみたいな事よね?運が良ければ必ず魔石が出る…運が良ければ宝箱からもいい物が出る!


「そういう事だ…確実とは言えないが、可能性は高くなるだろう?」

 そういう事ね…クラウディアさんやミヤマさんが宝箱を買い取るって言ったのもそういう事?クラウディアさんは分からないけど、ミヤマさんの聖属性魔法は凄いもんね。


「バフを掛けるのは分かりました。それはいいですけど、ここで掛けるんですか?」

 何だか場違いな気がするんだけど…


「さすがにここではな。会議室が空いてるといいんだが…」


「会議室?」

 ギルドに会議室なんてあるの?


「何だ?メグはまだ資料室に行った事は無いのか?」

 資料室?


「資料室?会議室じゃなくて?」

 今は会議室の話をしてるのに、何で資料室に行ったか聞かれるの?


「資料室の中に会議室があるんだよ」

 あ、そうなってるのね。それなら資料室に行ったか聞かれるのも分かるわ。


「行った事無いです…」

 まあ、会議室だろうと資料室だろうと行った事は無いんだけどね。


「試しに行ってみるか」

 行っちゃうんですか?…資料室、どんなとこなんだろう?

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