第269話

「「「乾杯!」」」

「か、乾杯」

 ダンジョンでの戦闘を続ける事…何時間だったのかしら?4〜5時間は戦ってたわね。

 戦闘を終えてギルドに戻ったら酒盛りが始まったわ…私?私は飲まないわよ?私が飲むのは『シェフのフルーツジュース極み』ね。

 以前は『シェフの気まぐれフルーツジュース』だったらしいけど、試行錯誤の末にレシピが決定して気まぐれじゃ無くなったみたい。

 何だかミヤマさんに飲ませて貰ったジュースに味が似てるわね…


「んぐ…んぐ…んぐ…ぷはぁぁ、はぁ…ダンジョンに潜った後の酒より美味いもんはねえよなぁ」

 キャシーさんは美味しそうに飲んでるけど、その意見には同意できないわ。


「まったくだな。それに今日は戦闘が順調にいったからか余計に上手く感じるな」

 サラさんまで…皆んなほんとにお酒が好きよねぇ。


「だよな!メグが戦闘に参加してから一度もワイバーンを空に逃して無いもんな」

 そうなのよ!初戦闘の後は一人でワイバーンを押さえてたけど、一度も逃さなかったわ!


「それにキャシーも戦闘に参加できる様になったから、一度の戦闘に掛ける時間も減ったぞ。お陰で効率が上がって手に入る宝箱も増えたな」

 キャシーさんたら盾でワイバーンを殴ってたもんね…知らなかったわ、盾って打撃用の武器にもなるのね…


「けど、人数が増えたからな。一人当たりにすると、どうなんだ?」

 それよ!効率が良くなっても、結局は貰える宝箱が減るんじゃ申し訳ないわ!


「ほぼ変わらないな…だが、戦闘の負担は減っている。稼げる宝箱の数が変わらず、戦闘が楽になってるなら最高じゃないか」

 そうなの?それならいいけど…


「宝箱って、私も四分の一も貰っていいんですか?」

 そもそも私も普通に宝箱を貰ってもいいのかしら?触手で押さえてただけで攻撃には加わって無いのに…


「当たり前だろう?メグも戦闘に参加したんだから当然の権利だぞ?」

 それなら遠慮なく頂きますね。


「で、ほぼ変わらないって事は…7、8、9辺りか?」

 7、8、9って、宝箱の数かしら?


「8個だな。あとで二人分まとめて渡そう」

 宝箱の数みたいね。一人8個か…200個集めるにはしばらく掛かりそうね。


「サラさんとキャシーさんは宝箱は直ぐに開けるんですか?」

 私とケイトは貯めてからミヤマさん達に売る予定だけど、二人はどうするのかしら?


「それなんだが…メグに一つ頼みたい事があるんだ」

 このタイミングで頼まれるって事は宝箱に関係する事よね?


「…何でしょう?」

 私に出来る事ならいいんだけど…


「魔力に余裕があるなら、聖属性魔法でバフを掛けて欲しいんだ」

 それなら出来るけど…バフって戦闘の時に掛けるのよね?宝箱に関係あるの?

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