第267話

「行きます!身体強化!!」

 触手に身体強化を掛けて押すと、キャシーさんの身体が少しずつ後ろにズレているわ。これならいけるんじゃない?


「おっ?…おー、おー、おー、おー、やるじやねーか!だが…」

 キャシーさんは感心した様に笑っているけど…


「止まった!」

 キャシーさんが少し身体を動かすと、後ろにズレてたのが止まっちゃったわ…


「この倍は無いと無理だな」

 倍?倍あればいいのね…


「…なら大丈夫です」

 確かに今の力が触手で出せる限界だけど…


「あん?」


「触手は二本ありますから!!」

 触手はもう一本出せるのよ!二本で押せば力は二倍になるはず!

 左手からも触手を出して、キャシーさんの盾に当てて二本の触手で押すと…


「押し込んだな…キャシー、どうだ?」

 キャシーさんの身体はズルズルと後ろにズレていったわ…今度はキャシーさんが動いても止まらないわね。これでどう?キャシーさん?


「…これならいけるんじゃねーか?」

 やったわ!キャシーさんからいけるって言われたし、次は私も参加していいの?


「良し、とりあえず出るか…メグ、次の戦闘は参加してみるか?」

 部屋を出ながらサラさんに次の戦闘に参加しないか聞かれたわ!


「いいんですか!」

 これって、サラさんもいけるって判断したって事よね?


「ああ、頼りにしてるぞ」

 そう、サラさん、私を頼りにしてるのね…


「はい!頑張ります!」

 頼りにされたのなら仕方ないわね!私の触手で戦闘を楽にしてあげるわ!




「それじゃ、役割りを決めよう。まずはケイト、魔法で牽制を頼むぞ」

 部屋を出ると、改めてどう戦うかを話し合ったわ。


「まあ、いつも通りだな」


「ワイバーンが突っ込んできたらキャシーが止めてくれ」


「おう!任せといてくれ」

 ここまではさっきと同じね。


「ワイバーンの動きを止めたら、メグの出番だ。触手で押さえてくれ」

 ここからはいよいよ私の出番ね!


「はい!」

 私が触手でワイバーンの動きを止める!そうすれば残りの三人でワイバーンに攻撃できて、空に逃げられる可能性が下がるわ!


「最初はキャシーと一緒に押さえてくれ。後は私とケイトで攻撃する。試してみてメグだけで押さえられそうなら、次からはキャシーにも攻撃に参加して貰う」

 キャシーさんと押さえるの?最初は仕方ないか…でもいいわ!一度で私一人で押さえられるって証明してやるんだから!


「各々やる事は頭に入っているな?それじゃ部屋に入るぞ!」

 部屋の準備が出来たみたい…よし、初めてのワイバーン戦、頑張るわよ!

 


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