第266話
「で、力比べって何すりゃいいんだ?」
キャシーさん、それよ!何か重い物でも持ち上げるのか?それとも綱引きでもする?それとも…
「腕相撲?」
これぞ力比べって感じよね!
「腕相撲って…触手でやるんだろう?あんまり触手は握りたくねーなぁ」
キャシーさん…貴女、触手使いを敵に回したいのかしら?
「キャシー、必要な事なんだ…そんな我が儘を言うのは良く無いぞ?」
そうよ!サラさんのいう通りだわ!もう少し真面目にやって欲しいわね!
「なら、サラは握れるのかよ?」
当たり前じゃない!そんな我が儘いうのはキャシーさんくらいよ!
「…さあ、別の方法を考えようか?」
サラさん?貴女もなのね…
「腕相撲じゃ無くて、盾と触手で押し合いすればいいだろう?」
キャシーさんとサラさんは当てにならないけど、ケイトは真面目に考えてるわね…
「良し、ケイトの意見を採用しよう」
「意義なし!」
はいはい、もう何でもいいわよ…
「最初から触れ合って初めますか?それともワイバーンを受ける時みたいにぶつけた方がいいですか?」
何でもいいから早く始めましょう。どうすればいいのか決めてください。
「触れ合った状態で初めよう。キャシー、メグ、準備してくれ」
触れ合った状態からの押し合いね!
「おうよ!」
キャシーさんが盾の縁を地面に打ち付けて、気合いを入れてる…
「はい!」
私もやってやるわ!強い力が出せる様に、太くて長い触手を右手から出して…これで準備は出来たわね。
「それがメグの触手か…思ったより気持ち悪く無いな」
キャシーさん、それはちょっと失礼じゃない?
「そういう先入観で触手を見るのはやめてください」
キャシーさんは触手は粘液でヌラヌラしてて、巻き付かれると服が溶ける…きっとそんな風に思ってるんだわ。
「悪い悪い…メグ、触手を合わせてくれ」
まあ、いいわ…盾に触手を押し当てて…
「メグ、そこから押してみてくれ。キャシーは押し返すんじゃ無くてその場で受け止めろ」
私は押せばいいだけね。いつでもいけるわよ!
「なんだよ、押し返しちゃ駄目なのか?…まあ、いいや。メグ、押してこい!」
キャシーさんも盾を構えて腰を落として…準備が出来たみたいね。
「いきます!」
触手にグッと力を入れて押してみたけど…びくともしないわね。
「おっ!まあまあ力はあるが…ワイバーンを押さえ込めるほどじゃねーな。メグ、これで全力か?」
キャシーさん、涼しい顔してる…これじ、力比べは私の負けじゃない…
「まだいけます!」
でも、これが私の全力じゃ無いわ!見てなさい、キャシーさん…その涼しい顔を歪ませてやるわ!
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