第265話

「キャシー、あんまり調子に乗るなよ?たまたま上手くいっただけなんだからな?」

 そうなの?たまたまなの?…キャシーさんがこれくらい余裕だぜみたいな雰囲気で話すから、いつもの事かと思ったのに…


「分かってるよ…メグ、いつもここまで上手くいくとは限らないんだ」

 そうなんだ…今みたいに出来ない時もあるって事ね。


「上手くいかないとどうなるんですか?」

 まさか誰か怪我したりとかしないわよね?私の回復の出番になっちゃうの?


「翼を落とす前に空中に逃げられるんだ。そうしたら、最初からやり直しだな」

 最初から…ケイトが魔法を撃ってキャシーさんが盾で受けてってまたやるの?


「それは面倒ですね…上手くいく確率ってどれくらいなんですか?」

 誰かが怪我をするんじゃなくて良かったけど、また同じ事を繰り返すのは面倒よね。

 上手くいく確率が高ければ、そんなに気にしなくてもいいと思うんだけど…


「五分五分ってところだよな?」

 キャシーさんが口元に手を当てながらサラさんに聞いてるわ。


「まあ、それくらいだな。いつも空中に逃げられる前に仕留められれば、効率が上がるんだがなかなかそうは行かないんだ」

 サラさんも認めてる…上手くいくのは半分くらいなのね。半分か…もう少し確立を上げたいわね。確立を上げる為に、私に出来る事があるかしら…


「もし…ワイバーンが地上にいる時間を少しでも長くできたら、上手くいく確率は上がりますか?」

 地上にいる時間が長くなれば、その時間を翼を落とす為に回せるし、上手くいく確率は上がるわよね?


「そりやぁ、そうだろう」

 キャシーさんが答えて、サラさんも頷いてる…やっぱりそうよね!


「それなら!私も少しは力になれるかも知れません!」

 私が戦闘に参加するならこれだわ!これなら皆んなの役に立てる!


「メグ…お前、まさか…」

 さすがケイト…私が何を言いたいのか分かったみたいね…


「ええ!触手で押さえ込んでやるわ!」

 そうよ!これなら触手で役に立てる!


「触手にそんな事が出来んのか?」

 それが出来るのよ、キャシーさん。


「キャシーさんがワイバーンを止めた後だったら、出来ると思います」

 キャシーさんが止めたワイバーンに触手を巻きつければ、飛び上がる時間を遅らせる事が出来るはずだわ!


「メグ、キャシーと力比べをしてみてくれ…触手を使ってな」

 サラさん、ほんとにそんな事が出来るのか確かめたいのね…いいわ!ミヤマさんとエミリーさんに指導して貰った成果を見せてあげる、やってやるわよ!

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