第264話

「それじゃ、入るが…メグは入ってすぐの場所で結界を張って見ててくれ」

 来ちゃったわよ!第五十階層…ワイバーンのいる部屋の前で最後の確認ね。

 サラさんから私への注意があったけど、この三人のリーダーってサラさんなのかしら?


「俺たち三人で倒すから、メグはどうしたらそこに加われるのか考えるんだな」

 ケイトからも一言あったわ。


「えーと…応援よろしく!」

 キャシーさん、二人みたいに何か言いたかったけど、何も浮かばなかったのね…


「分かりました!」

 キャシーさんはともかく、皆んなの言いたい事は分かったわ!


「よし、入るぞ!」

 いよいよね…


 


「よっしゃあぁーー!」

 四人で部屋に入ると、キャシーさんが大きな盾を構えながら気合いを入れて前に出た…あんな盾持ってたっけ?収納?


「ここで見てます…結界!」

 私は入り口の側で待機ね…皆さん、頑張ってください!


 ワイバーンが空に浮かんでるわね…キャシーさんを先頭にした三人がそれを見上げるようにして構えてる…


「ケイト、魔法を」

 最初はケイトの魔法からか…


「あいよっ」

 ケイトがワイバーンに手を向けてると、手の先から火の球が一発、二発と飛んでいくけど…ワイバーンには当たらないわね。上手く避けてるのかしら?


「おいおい、イラついてんな!どうせ怖くて降りてこれねーんだろ!」

 そう、上手く避けてはいるけど、少しイライラしてるみたい…でもキャシーさん、そんなに挑発していいの?魔物には言葉が通じないから大丈夫なの?


「キャシー、任せた!」

 任せた?何を任せるの?


「かかって来いやーーっ!」

 だからキャシーさんそんなに挑発したら危ないってば!


「ギュアアアァァーーーァァッ」

 ほら、キャシーさんに向かって飛んでくるじゃない!早く!早く避けないと!


「すぅ…はっ!!!」

 …止めた?えっ!なんであんな大きな身体で突進してくるのをキャシーさんが止められるの?


「よしっ!翼を落とすぞっ!」

 サラさんが声を掛けると同時にケイトと切り掛かった!キャシーさんは…ワイバーンが動こうとするのを盾で押さえ込んでる!




「とまあ、こんな感じだな。すげーだろ?」

 結局ワイバーンは翼を落とされて、三人掛かりで切られてたわ。最後はサラさんの剣で首を落とされて決着。これがワイバーンとの戦いか…


「はい!凄いです!」

 ミヤマさんは魔法で簡単に倒してたけど、本当はこんなに激しい戦いなのね…


 私がこの中に入るとしたら何が出来るんだろう?聖属性魔法で攻撃する?それともナイフで切り掛かる?…どうしようかしら?


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