第263話

「メグ、ここだぞ」

 リタさんからの手紙を持って聖都のギルドに来たら、さっそくケイトに声を掛けられたわ。サラさんとキャシーさんも一緒ね。


「ちょっと待ってて、受付で用事を済ませてくるから」

 奉仕活動の処理をしてくるから、三人で話して待っててね。




「お待たせ、皆んなお昼は終わったの?」

 テーブルには食べ物は無いから、終わってるとは思うけど。


「ああ、すぐにダンジョンに潜れるぞ」

 やっぱり終わってたわね。それじゃ、さっそく…


「ケイト、そう急かすな。メグは本格的な戦闘に参加するのは初めてなんだろう?」

 と思ったら、サラさんに止められたわ。


「はい、初めてです」

 養殖では見てるだけだったし、戦ったのは第十階層の魔物までね。


「だろう?潜るのは少し話してからにしようじゃないか」

 そうね…ケイトは分かってるだろうけど、サラさん達と私はまだお互いの事が分からないもんね。


「そうだな。メグは何が得意なんだ?アタシはタンクだからガードは固いぞ」

 キャシーさんてタンクなんだ!勝手に前に出て暴れ回るタイプかと思ってたわ…


「聖属性魔法は使えるので回復は出来ます。それと触手が…」

 私の事も答えなくちゃ…直ぐに戦力になれそうなのは聖属性魔法ね。触手については練習はしたけど…


「触手なぁ…触手って戦闘で使えるのか?」

 そこが問題なのよ、キャシーさん…


「…どうなんでしょう?」

 魔牛なら倒せるのよ?でも、それ以上に強い魔物だとどうなるか分からないのよね…


「まあ、そこは実際に見せて貰わないと分からないな。ちなみに私はアタッカーだ」

 サラさんはアタッカー、これはイメージ通りね。


「ケイトは何してるの?」

 アタッカーとタンクが居るなら、ケイトは何の役割をしてるのかしら?


「色々だな」


「色々?」

 さすがにそれじゃ分からないわよ?もう少し詳しくお願い出来るかしら?


「アタッカーとして参加もするし、魔法で牽制もするし、敵を引きつけたりもするな」

 それは確かに色々ね…


「魔法で牽制する様になったのは、最近の事だけどな」

 そうなの?そう言えば火属性魔法を撃つのは苦手って言ってたわね。


「うるせーよ」

 何だかバツが悪そうね…あ、クラウディアさんとの練習のお陰で、魔法で牽制できる様になったんだわ!


「メグ、聖属性魔法が使えるなら結界は張れるのかな?」


「張れます!」

 けっこう大きなのが張れるのよ!自分でもビックリしたくらいなんだから!


「それならとりあえず潜って、メグには結界で身を守りながら見学して貰うか」

 …そうね。とりあえず行っちゃう?


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