第262話

「今日はどうしたんですか?」

 解呪をする部屋に移動して最初の何人かは見学させて貰った…そいてついに、私が解呪する時が来たわ!


「何か弟から恨まれてるみたいでさ。呪い代行屋に依頼したらしいんだよね」

 この男の人、身なりがいいわね。冒険者では無さそうだけど…

 それにしても呪い代行屋って何かしら?そんな物騒なお店があるのね。


「兄弟喧嘩ですか、大変ですねぇ…これでどうですか?」

 左肩に手を置いて…聖属性魔法のエネルギーを流して…呪いを溶かす様に…どう?解呪できたと思うんだけど?


「うん、呪いが解けた気がするけど…」

 この男の人も正確には分からないみたい。どうすれば分かるのかしら?

 なんて思っていたら…


「解けてますね」

 解呪について教えてくれたシスターさん…リタさんが教えてくれたわ。


「ありがとう!これで料理する度に塩少々と塩ひとつまみどっちが多かったっけって悩まなくて済むよ」

 …それって呪いなの?生活に密着し過ぎじゃない?


「…良かったですね」

 呪われて困ってるんだから、大した事無いとか思ったら駄目なのは分かるんだけど…分かるんだけど…




「解呪してみてどうでしたか?」

 解呪担当のシスターさんと交互に解呪をして、今日の奉仕活動は終了。

 お昼をご馳走になっている時に、解呪について教えてくれたシスターさん…リタさんに今日の感想を聞かれたわ。


「軽い呪いなら何とかなりそうです。それにしても、色んな呪いがあるんですね」


「重い呪いだとある程度は種類が決まっていますが…軽い呪いになると嫌がらせの様なものなので、人がちょっと嫌だなと思う事を呪いにしてしまうんです」

 呪いって嫌がらせなの?


「起きたと思ったら、起きた夢を見てて実は起きてなかったなんて呪いもありますか?」

 朝早くから用事がある日にこんな事があったらちょっとどころじゃなく嫌だけど…


「聞いた事はありませんが、あってもおかしく無いですね」

 そうなんだ…


「…呪いって恐ろしいですね」

 人が嫌がる事の数だけ呪いがあるかも知れないって事よね?怖いわ…


「そうですね。そんな呪いを解呪する為に私達は頑張っています。メグさんはあと十四回、私達に力を貸してくれますか?」

 これは私も戦力として数えてくれているのよね?


「はい、奉仕活動は全部ここでの解呪にしたいと思います」

 私で力に慣れるなら、是非!


「それなら帰りに手紙をお渡しするので、ギルドの受付に提出してください。それで次からは受付に終了の連絡をしなくても大丈夫になります。十五回終了したら、奉仕活動が全て終了した連絡はしてくださいね」

 それは助かるわ。一々ギルドの受付に行くのは面倒だもんね。

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