第261話

「それじゃ、後でギルドの酒場に集合な…ま

あ、頑張ってこいよ」

 今日は初めての奉仕活動の日。


「ケイトも気をつけてね」

 朝食を食べてケイトと一緒に宿を出たら、教会からは別々の場所に移動ね。ケイトは聖都の第五支部、私は…


「おはようございます。奉仕活動で来たんですけど、何処に行けばいいですか?」

 創星教会王都第十支部に来たわ。ここで解呪の奉仕活動をするのね…


「ここでの奉仕活動は初めてですよね?」

 石柱がある部屋を出てから何処に行けばばいいのかを聞いたら、奉仕活動の経験を聞かれたわ。


「はい、初めてです」

 ここでの奉仕活動どころか、奉仕活動自体が初めてですもん。


「それなら…」

 初めてだと何かあるのかしら?シスターさんに別の部屋に連れてこられたけど…部屋の中には机と椅子が並んでいて、一人別のシスターさんが居るわね。


「それではメグ様には解呪について話を聞いて頂きます」

 お話から?いきなり実技では無いのね。


「そんな事やってるんですねぇ」

 初心者でも一から指導って言ってたのは、この事なのね。


「この教会独自の仕組みです。ここで解呪の知識を身につけて貰います」

 この教会だけなんだ…さすが解呪で有名な教会だけあるわね。でも…


「これで解呪が出来る様になるんですか?」

 問題は実際に解呪が出来る様になるかどうかよね。


「聖属性魔法が使えるのなら、出来る様になりますよ。丁度、他にも解呪を覚えようとしているシスターがいますから、一緒に話を聞いてください」

 他に解呪を覚える人が居るのね。私一人の為に手を煩わせるんじゃなくて良かったわ。


「ジルです。よろしくお願いします」

 一緒に話を聞くシスターさんとして紹介されたのがジルさん、まだ若い方ね。


「メグです。よろしくお願いします」

 私も名乗ったら…


「それでは始めますよ」

 解呪の説明が始まったわ。


 説明では、解呪と回復の違い、解呪のイメージの持ち方とか色々聞けたわ。ここら辺はレイラ先生にも聞いたし、以前見学させて貰ったから分かるわね。

 それに魔力の聖属性魔法のエネルギーへの変換と、ジルさん相手にそのエネルギーを流す練習もしたの。


「最後に…出来ない場合は無理せず他の者に頼ってください。これは解呪する者の為ではありません。解呪される方々の為ですから、徹底してくださいね」

 説明の締めとして、こんな事を言われたけど…


「分かりました」

 そうよね、自分が自分がなんて独りよがりになったら駄目よね。解呪される人達の事を第一に考えないと。


「それでは解呪を行う部屋に移動します」

 いよいよね!さあ、やってやるわよ!あ、出来る範囲でね。


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