第255話
「あと少しですねぇ」
エミリーさん、ほんと?もうあと少しのところまで来てるの?
「あと一度だけ魔力を吸収すれば、普通の空気と同じになりそうですねぇ」
ミヤマさんも言うなら、ほんとなのね!
練習を始めてしばらくすると、二人からあと少しって言われたわ!あと一度魔力を吸収すれば終わるのね…
「メグちゃん、いけそう?」
エミリーさん、ちょっと待ってください…なんだか緊張してきたわ…深呼吸して…心を落ち着けて…
「…やってみます!」
よしっ!やるわよ!突き出した両手からゆっくり魔力を吸収して…
「……出来てますか?」
これで結界の中の空気も普通と同じくらいの魔力濃度になったと思うんだけど…
「出来てるよ、メグちゃん」
エミリーさんは出来てるって言ってくれたわ。あとはミヤマさんの判断次第ね。
「出来てますね」
ミヤマさんも出来てるって言ってる…
「…ほんとですか?」
ていう事は、ほんとに出来てる?出来てるのよね?
「ええ、もう結界を解除しても触手を維持できると思いますよ?」
そうか、結界を解除すれば確実に分かるわね!結界を解除して…
「出来ました!」
出来てたわよ!結界を解除しても触手が残ってるのよ!これで成功ね!
「メグちゃん、凄いね!」
ありがとう、エミリーさん!
「ありがとうございます!ミヤマさん、エミリーさん。
お二人のお陰で触手を使って戦う自信がつきました」
ミヤマさんもありがとう!これで明日からケイトとダンジョンに行っても足を引っ張らずに済むかも知れないわね。
「メグさんが頑張ったからですよ…ですが、これで終わりではありません」
終わりじゃない?…ミヤマさん、どういう事なの?
「まだ何かあるんですか?」
エミリーさんも知らない事なのね。何をするつもりなのかしら?
「あるんです!…ですがそれは休憩の後にしましょう」
ここで休憩なの!もう、いいところで切るんだから…
「そちらは順調に終わったみたいだね」
休憩に入るといつものジュースを飲みながらクラウディアさんが話し掛けてきたわ。
やりたかった事は一通り出来る様になったから、私としては順調に終わったと言っていいんだけど…まだ何かあるみたいなのよね。
「ええ、最低限の仕事は終わりました。師匠の方はどうなんですか?」
それよ!私もケイトの練習が気になってたのよ。よく聞いてくれたわ、ミヤマさん。
「そうだね…ケイトの魔力操作がずいぶんと上達したよ。属性魔法にもいい影響が出るんじゃないかな?」
そうなんだ、ケイトも頑張ったんだ…最初は嫌がってたのにね。
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