第253話

「なあ、メグ…」


「なあに?ケイト」

 受付での話が終わったら、ケイトが話し掛けてきたわ。


「メグが聖属性魔法を使えるのは知ってるけどよ、解呪なんて出来るのか?」

 ああ、奉仕活動を教会での解呪のお手伝いに決めたからその話ね。


「大丈夫よ!アットホームな職場で初心者でも一から指導って言ってたじゃない!」

 解呪なんてした事無いけど、レイラ先生にやり方は教わったもん。あとは教会で練習すれば何とかなるわよ。


「ほんとに大丈夫かよ…」

 大丈夫だって!王都の第十支部よ?知ってる教会なんだから変な事なんか無いわよ。


「それより宿に帰って食事にしましょう」

 お腹が空いたわ。そんなに身体を動かして無くてもお腹は減るのね…




「明日は朝から奉仕活動をするとして、昼からはどうするか考えてるのか?」

 良く聞いてくれたわね、ケイト…


「何にも決まって無いわ!」

 今日の午後までは触手の指導って決まってるけど、明日の午後はさっぱりね!


「何でそんな偉そうなんだよ…とりあえず、俺らと第五十階層を回るか?」

 私としては嬉しいお誘いだけど…


「いいの?私がいても戦力になるか分からないわよ?」

 というか、確実に足を引っ張るわよ?


「最初から戦力になるとは思ってねーよ。最初は見てるだけでもいいから、自分に出来る事を探してみろ」

 ケイトいい事言うわね!でも、生姜焼き定食のご飯の茶碗と箸を持ちながら言ったら台無しよ…




「食事は終わりましたか?」

 お昼を食べ終わって、席で一休みしてたら誰かが声を掛けてきたけど…


「ミヤマさん!はい、終わりました!」

 ミヤマさんだったわ。ミヤマさんは今からお昼かしら?


「そうですか…」

 ミヤマさんがちょっと考え込んでるわね?どうかしたの?


「ミヤマさん、お待たせ!」


「あ、イザベラさん。しばしお待ちを…生姜焼き定食、外で頂きますね。食べてませんけどご馳走様でした」

 ミヤマさんが収納からお皿を出したと思ったら、イザベラさんが持ってきた生姜焼き定食を移し替えたわね…えっ?食べないの?


「帰ってきたと思ったら出かけるのね。お皿は下げておくわ、行ってらっしゃい」

 食べないで出掛けるの?何処に行くつもりなの?


「はい、行ってきます。メグさん、ケイトさん、行きますよ」

 えっ?私達も一緒なの?という事は…




「美味しそうな物を食べてると思ったらそういう訳か…」

 クラウディアさんの家じゃない!


「ここなら師匠とお話できるでしょう?今日で指導も終わりですし、何か質問があるなら今がチャンスですよ!」

 確かにそうなんたけど!…クラウディアさん、何かごめんなさい…


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