第252話
「魔法使い…たぶんそのクラウディアだ。クラウディアの弟子なら、この速さも納得だ。
お前らなら列に並んでも大して時間が掛からずに済むな」
クラウディアさんて、ずいぶんと有名なのね…さすが、お母様の先生だった人だわ!
「今日はこの子にダンジョンをクリアさせる為に並んだだけですので、今後はこの部屋で周回する予定はありませんよ」
そうなの?ミヤマさんならドラゴンでも余裕なのに…
「そうなのか?」
声を掛けてきた人も気になるみたいね。
「ええ、ワイバーンの方が回転が速くて儲かりますし」
そっか、ミヤマさんならドラゴンの部屋に並んでる時間でワイバーンを何匹も倒せるもんね。確かにその方が得だわ。
「よし、青だな。俺らも頑張るか」
話してる間にボス部屋の準備が出来たみたい。次はこの人達がドラゴンと戦うのか。
「皆さん、お気をつけて」
ミヤマさんが一声掛けると…
「おう、ありがとよ…行くぞ、てめえらっ!」
「「「おうっ!」」」
冒険者の人達が気合いを入れてるわね…
気合いを入れるところなんてミヤマさん達と養殖してる時には見た事なかったけど、普通はこうよね?ミヤマさん達の養殖が呑気過ぎるのよね?
「ケイトさんはもう来てますかね?」
気合いを入れた冒険者の人達がボス部屋に入っていくのを見送ってから、ギルドに戻ったわ。
酒場にケイトが居ないかミヤマさんが探してるけど、もう来てるかしら?
「メグ、こっちだ!」
ケイトは先に来てたみたい。ちょっと待たせちゃったかな?
「居ましたね。それではメグさん、これでパワーレベリングは終了になります、お疲れ様でした。
後はお昼を食べてから、師匠の家で最後の指導になります。それまでは自由にしていてくださいね」
これで五日間の養殖は終わりか…
「はい、分かりました…ミヤマさん、エミリーさん、パワーレベリングのお陰で強くなれました…ありがとうございました!」
二人に頭を下げてお礼も言ったし、ケイトと合流しなきゃ。これから午後の指導までは別行動ね。
「ケイト、お待たせ」
ケイト、ナッツを摘んでるじゃない…お摘みを頼むくらいには待ってたのね。
「おう、ドラゴンは倒したのか?」
当たり前じゃない!何しに行ったと思ってるのよ?
「倒したわよ、ミヤマさんがね」
これも当たり前よね。私にドラゴンを倒す力は無いわよ?
「まあ、そうだろうな」
ケイトも納得してるわね…それはそれで複雑だわ。
「ケイト、受付で奉仕活動について聞きたいんだけど」
まあ、いいわ。受付で話を聞いて、奉仕活動を何にするか決めちゃいましょう。
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