第251話

 前に戦ってたパーティーが出てきてしばらくすると、部屋の準備が出来たみたい。


「メグさん、エミリー、行きますよ」

 いよいよドラゴンと戦うのね!ミヤマさんに声を掛けられて歩きだすと…


「お前ら、気をつけていけよ?」

 後ろに並んでる人も声を掛けてくれたわ。ただ気をつけろって言われても、私が戦う訳じゃないからなぁ…私は離れて身を守ってればいいのかしら?


「ありがとうございます。それでは、行ってきますね」

 ミヤマさんを先頭に部屋に突入ね!さあ、どんな戦いになるのかしら…

 



「触手展開…さあ、喰らうがいい!私の聖属性魔法を!」

 どうしたのミヤマさん?部屋に入ったとたんに叫びだして…


 叫んだと思ったら四本の触手と両手から合計で六発の魔法の球を出してる。一瞬でドラゴンを倒しちゃったし…ちょっと速過ぎるんじゃないかしら?


「ミヤマさん、急にどうしたんですか?」

 エミリーさんも気になるわよね?ワイバーンの時には叫んでなかったもん。


「たまにはこんな芝居がかったのもいいかと思いましてね。それより宝箱回収したら帰りますよ」

 …要するにただの気まぐれでやったって事よね?相手はドラゴンだっていうのに余裕があるわね…


「はーい」

 エミリーさんも余裕そうね。叫び声は気になってたみたいだけど、ドラゴンを倒したのは当たり前だと思ってるのね。にこにこしながら触手で宝箱を回収してるし…




「お前らもう終わったのか!いくら何でも速すぎるだろう…」

 宝箱を回収してすぐに部屋を出たら、並んでる冒険者に言われたわよ!それは言われても仕方ないわよね。私も速いと思うもん。


「私の師匠は一人でも同じくらいの速さで終わらせる事が可能ですよ」

 あ、話し掛けてきた人が理解できないものを見る様な目でみているからかしら?ミヤマさんが言い訳みたいな事を言い始めたわ…


「そんな奴がいるのか!…あんたの師匠の名前を聞いてもいいか?」

 ミヤマさんの師匠って言ったら、クラウディアさんの事よね?


「私の師匠の名はクラウディアですね」

 やっぱりそうよね…てことは、クラウディアさんもこんな事が出来るって事?

 それだけじゃないわ…あの余裕そうな感じを見るとエミリーさんも出来そうよね?


「クラウディア…あのクラウディアか?」


「どのクラウディアか分かりませんが、魔法使いのクラウディアです」

 ミヤマさん?弟子なのに師匠に対する理解が大雑把すぎない?

 せめてもう少し外見的な特徴を言ってみるとかあってもいいんじゃないかしら?


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る