第250話

 ダンジョンクリアの為にボス部屋の前まで来たわ!


「思ったほど並んではいないですねぇ」

 ミヤマさんはそう言うって事は、普段はもっと並んでるの?


「ほんとですねぇ…何かあったのかなぁ?」

 エミリーさんも言ってる…前に居るのが八人でしょ?これでも居ると思うんだけど…


「…ミヤマさん、人増えましたねぇ」

 エミリーさんのいう通り、私達が並んだら後ろに人が増えたわよ?今まで何処に隠れてたのかしら?


「たまたま何処かに行ってたんですかね?」

 そんな事あるの?だって急に現れたのって30人くらい居るわよ?この人数が同時に何処かに行ってたっておかしくない?…ほんと、どうなってるのかしら?




「メグちゃん、もう次だよ」

 10分以上考えてたけど、結局分からないままだわ…もやもやするけど、その間に順番が進んだのは良かったわね。


「けっこう速く進むんですねぇ」

 そんな事いってるけど、ミヤマさんの事だからもっと速く終わらせるんでしょ?


「おい、お前ら…勘違いするなよ?たまたまお前らの前にいた奴らが速いだけで、部屋に入ったら30分以上出てこない奴らもいるんだからな?」

 急に後ろから声を掛けられたわ。普通はドラゴンを倒すのってそんなに掛かるの?それならミヤマさんもワイバーンみたいには行かないかも…


「そうなんですか?教えて頂きありがとうございます」

 ミヤマさんは余裕そうに返してるわね…ドラゴン相手でも自信があるのかしら?


「お前らはどうなんだ?三人パーティーみたいだが…」

 心配してくれてるのかしら?見た目は怖そうだけど、優しい人なのね。


「私達は30分も掛かりません。それほどお待たせしないで済むと思いますよ?」

 ミヤマさん、やっぱり自信があるんだ!また触手と魔法で瞬殺しちゃうの?


「ああ、急かしてる訳じゃねーんだ。無理して怪我するなよ?」

 ほんとに優しい人ね。こういう相手を思いやる精神て素敵よね。


「お気遣いありがとうございます。一人はこの部屋が初めてですし、無理はしませんよ」

 私は初めてだから…ミヤマさんとエミリーさんは経験があるって事か。その上で自信があるのなら安心ね。


「それならいい。ここの宝箱からはエリクサーが出るって噂だが、いくらエリクサーの為とは言え怪我するのは馬鹿らしいからな」

 エリクサーなんてほんとに出るのかしら?出るとしても、そんな貴重なものがそう簡単には出ないわよね。


 ここに居る人達って、みんなエリクサー目当てなのかなぁ?…そんな事を考えてると、ボス部屋から前に入った人達が出てきたわ!


「このパーティーも速かったですね」

 確かに…さっきの人達の半分くらいの時間しか掛かってないわ。


「俺達もドラゴンの討伐を始めて結構たつんだが…奴らは俺達が知ってるパーティーの中では最速だな」

 これが最速なのね…ミヤマさんはどれくらい掛かるんだろう?

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