第248話

 昨夜も部屋で触手を使う練習をしたわ。順調に結界の中の魔力は薄くなってるわね。

 今日でミヤマさんの指導は終わりだけど…結界の中の魔力を、普通の空間と同じにするのは間に合うかしら?


「メグ、今日は早めに酒場に行くけど、もし俺が居なかったら待っててくれ。それじゃ、先に行ってるからな」

 いつの間にかケイトの食事が終わってる!私がちょっと考え事をしてる間に…冒険者は食事を速く食べられる様にならないと駄目なのかしら?


「分かったわ、気をつけてね」

 私も速く食べて、お茶でも飲みながらミヤマさんを待ってようかな…




「おはようございます、ミヤマさん」

 お茶を飲んでたらミヤマさんが食堂に降りて来たわね。


「メグさん、おはようございます。今日もケイトさんは先に行っちゃったんですか?」

 ええ、さっきまでは居たんですけどね。


「行っちゃいました。けど、早めに上がって酒場で待ってるって言ってました」

 最後くらい一緒について来てもいいと思うんだけどなぁ…


「ケイトさんも早くから頑張ってますねぇ。メグさん、急いで食べちゃうんで少し待ってて貰えますか?」


「はい、待ってますね」

 なんて言ったのに、ほとんど待たなかったわね…ミヤマさん、あっという間に食べ終わるんだもん。やっぱり冒険者は食べるのが速いんだわ…




「おはようございます、ミヤマさん、メグちゃん」


「おはようございます、エミリーさん」

 ギルドに行ったらエミリーさんはもう来てたわ。エミリーさんていつも早いわよね。やっぱりエミリーさんも食事は速く済ませちゃうのかしら?


「エミリー、おはよう…カレンさんは相変わらずですか?」


「相変わらずですね。カレンの事は気にしないで早く行きましょう」

 相変わらずって、今日も猫カフェに行く為に先にダンジョンに行ったって事?

 猫ちゃんが好きなのか動物全般が好きなのかは知らないけど、ほんとに好きよね…


「そうですね。メグさん、今日が依頼の最終日です。頑張っていきましょう」

 そうよ!最終日なのよ!キリのいいところまで頑張らなくちゃね!


「はい、頑張ります!」

 早く第五十階層に行って養殖しましょう!




 第五十階層に来たわ!…けど、私はやる事が無いのよね。ワイバーンはミヤマさんが一人で倒しちゃうし…


 こうなったらエミリーさんとお話するしか無いわね。話題は何がいいかしら…

 そうだわ!昨日の続きを聞けばいいじゃない!…今は結界も張ってないから、エミリーさんが逃げても追いかけられるわ!エミリーさん、今日は逃がさないわよ…

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