第244話

「それではメグさん、まずは結界を張っちゃいましょうか。

 それから結界の中を魔力で満たして、触手を身体から離して出してください」

 さあ、練習開始ね!…これってミヤマさんは昨日の練習の最後と同じ状態にしなさいって言ってるのよね?


「はい!…これでいいですか?」

 言われた通りにしたわよ…だけど、魔力の濃度だけ昨日より薄くしてみたわ。


「かなり魔力濃度が薄くなりましたねぇ。昨夜は頑張って練習したんじゃないですか?」

 ミヤマさんが分かってくれたわ!そうなのよ!頑張って練習したのよ!


「ちょっと頑張っちゃいました!」

 ほんとはもの凄く頑張ったんだけどね。ちょっとだけ見栄を張っちゃったわ…これくらいの嘘はいいわよね?


「さっそくですが…今日もレベルアップしたので、触手の制御力も上がってると思うんですよね。

 という事で…初めたばかりなんですが、もう少し魔力濃度を薄くしてみましょうか?」

 そっか!昨日の夜よりレベルが上がったから、もっと薄く出来るんだ!


「はい!やってみます…」

 よし…ほんとだ!やってみたら昨日の夜より薄く出来たわ!


「いいですね…ですが、もう少しいけそうですよ」


「もう少しですか!…これでどうですか?」

 まだ薄くするの!ミヤマさん、なかなか厳しい事いうわね…

 でも、ミヤマさんは出来ると思ってるから言うのよね。これは私に期待してくれてるんだ…やってやるわ!これで…どう!!


「素晴らしい!そのままキープしながら、雑談でもしてください」

 雑談?急に雑談て言われても…そうだわ!


「エミリーさんはお金に困ってませんか?」

 さっきの話の続きにしましょう!


「困ってはないけど…何の話?」

 ああ、エミリーさんが困った顔してる!お金には困って無いのに話で困らせちゃったじゃない…雑談だからって、話の振り方が雑すぎたわね。


「エミリー達が来る前に、転生するならお金を払うか奉仕活動をするかみたいな話をしてましてね。

 私と師匠はお金を払うと言ったんですが、メグさんは払う余裕が無いそうなんですよ」

 ミヤマさん、フォローありがとうございます!最初からミヤマさんみたいに話せば良かったわ…雑談でも話の組み立ては大事ね。


「そういう事ですか…ん〜、私も今ならお金で済ませちゃうかも」

 前は奉仕活動をしたって言ってたのに、今は違うのね…


「エミリーさんもですか!いいなぁ」

 エミリーさんもお金には困って無いって言ってたもんね。強い冒険者になると転生代くらい余裕なのかしら?羨ましいわ…






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