第243話

「ドラゴンの宝箱は効率が悪いです…人が多くて一つ手に入れるのに時間が掛かります」

 そうなのよねぇ…ケイトの言う通り、ボスの部屋には列が出来てるから、順番待ちの時間が長いのよね。


「確かにそうですねぇ…ケイトさん、仮にワイバーンの宝箱でも買い取り制度があったとしたら売りますか?」

 ワイバーンの宝箱?ドラゴンの宝箱ならまだしも、ワイバーンの宝箱にそんなに価値があるのかしら?


「…値段によります」

 そうなるわよね…価値が無いとしても、あんまり安くで売ったらもったいないもんね。


「ケイトは幾らなら売ってもいいと思う?」

 クラウディアさん、いい質問だわ!ケイトはワイバーンの宝箱にどれくらいの価値があると思ってるのかしら?


「私なら…20万Gでしょうか」

 20万Gって、けっこう吹っ掛けたわね。


「よし、100個までなら私がその値段で買い取ろうじゃないか」

 えっ!クラウディアさんがワイバーンの宝箱を買ってくれるの!


「私も追加で100個まで買い取りましょう。宝箱を200個集めれば4,000万Gですよ。余裕で転生出来ちゃいますね」

 ミヤマさんまで!!二人ともほんとにお金持ってるのね…


「ちょっと待ってください!第五十階層のワイバーンの魔石が84,000Gですよ?

 ワイバーンの卵が出たとしても80,000Gです。合わせても20万Gに届きません。20万Gで100個も買ったら大損じゃないですか!」

 自分で吹っ掛けたくせに、それで買い取って貰えそうになったら慌てちゃって…ケイトったら可愛いわ。


「100個もあれば何かいい物が出るさ。それに出なかったとしても、私はお金に困って無いんでね。大した問題じゃないよ」

 お金に困って無いですって…クラウディアさんて余裕があるのね。


「私も同じくです。何も出なくても文句は言いませんが、何か出たとしても恨みっこ無しでお願いしますよ?」

 ミヤマさんも余裕だわ…でも、ミヤマさんて運が良さそうだったから、もしかしたら宝箱から良い物を出す自信があるのかも…


「恨み言なんて言いませんが…それ以前に何が出たなんて報告しなくていいです」

 そうよね…宝箱を20万Gで売ったのに、もっと価値がある物を出されたら何だか悔しいもんね。


「お師匠さ〜ん、地下ですか〜?」

 エミリーさんの声!エミリーさんとカレンさんが来たみたいね。


「二人が来たみたいだね。話の続きは休憩の時にして、そろそろ練習を始めるよ」

 練習開始ね!今日も触手の指導をお願いします!




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