第99話

「……倒せたわね」

 さっそく三匹の魔豚に挑んでみたら、思ったよりも上手くいったわね。


「とりあえずは今みたいな感じでいいんじゃねーか?」

 そうよね?これでいいわよね?


 二匹倒すまではさっきと同じだけど…三匹並んで突進してくる魔豚の真ん中と左を倒せば、右の魔豚は大きく避けなくても勝手に横を通っていくのよね。

 後は横を通って離れていった魔豚を触手で攻撃するだけ。触手の長さの分だけ、ナイフよりも距離を詰めずに攻撃に移れるのは触手の長所ね。


「魔石と木の箱を拾いに行かないといけないのが少し面倒よね」

 ほんの数歩だけど、これが毎回なのかと思うと何だかね…


「触手で拾えねーのかよ?」

 …触手で…拾えないのか…ですって?


「ケイト…あなた天才ね!」

 そうよ!触手で拾えばいいじゃない!触手が届く距離で倒したんだから、そのまま触手で拾えばいいのよ!


「いや、普通に考えつくだろう…」

 いいえ、ケイトは天才よ!決して私が抜けてた訳じゃないわ!


「やってみる……これは、楽でいいわね!」

 魔石で一本、木の箱で一本の触手を使って手元まで持ってくれば、後はマジックバッグに入れるだけ。

 ちょっとした触手を動かす練習にもなるし、これはいいかも!


「おっ、上手いじゃねーか。宿で練習してる成果がでてるな」

 宿で枕に触手を巻き付ける練習をしたのがここで活きてるわね。


「そうでしょう!次の魔豚は…あそこに三匹いるわね。ケイト、行くわよ!」

 森より移動しやすいし、魔物も見つけやすいから、かなり経験値を稼げるかも!頑張って魔豚を倒すわよ!




「これで120個目ね」

 三匹の魔豚を倒して魔石と木の箱を回収。これでマジックバックの中の魔石と木の箱は120個ずつになったけど…

 午前中に20個集めておいたから、午後だけで100個集めた事になるわね。

 午前中より長く潜ってるとは言え、この差は凄いわ。触手って力を発揮できる場所でなら、かなり有能なスキルなのね。


「大台にいったな。よし、ちょっと早えがこれくらいにしとくか。メグ、戻るぞ」




「今日はかなり稼げたわね」

 奥の部屋で監禁したら390,000万Gよ!レベルも三つ上がったし、いい探索だったわね。


「まだまだだぞ?もっと先の階層まで潜れる様になると稼ぎが全然違うからな」


「そんなに変わるの?」

 私にしては稼げた方なんだけど…


「今日のメグの稼ぎなら、ワイバーンを五匹倒せば稼げるからな」

 ワイバーン…そんな魔物、話でしか聞いた事がないわ…ダンジョンには凄い魔物がいるのね。


「ワイバーンなんて何処にいるのよ?」

 第十階層を抜けたら直ぐなんて言われたら困るわよ?


「俺が行ってるのは第五十階層だな」

 まだまだ先じゃない!今の私には関係なさそうね。

 まあ、いいわ。早く宿に帰りましょう。


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