第89話

 第九階層は草原だから進み方を変える、それは納得したわ!けど…


「カレンさん、第九階層って草原でしたっけ?」

 第九階層は昨日見たはずなのに覚えて無いのよね…


「…昨日いった時に見ませんでしたか?」

 見ましたよ?見たんですけど…


「ちょっと考え事してて…よく見て無かったんです…」

 自分が呪われてるなんて聞いたら、色々と考えちゃうのは仕方ないと思うのよ!仕方ないわよね!


「…ダンジョンでは考え事するのは止めましょうね」

 …はい、以後気をつけます。




「ほんとだ…草原だわ…」

 カレンさんと石柱の部屋から移動してきたら、目の前には草原が広がっていたわ!


「半分だけですけどね。残りの半分は果樹園になってます」

 そうなのよ!半分は草原で、もう半分は木がたくさんあるけど…森より木と木の間隔が広くて実がなってる木ばっかりね。これが果樹園か…


「草原と果樹園の間の道を進んでいけば、次の階層に進む石柱があるんですよね?」

 ループするから道ならどの方向に進んでもいいんだったわよね?


「そうです。今日は草原に入ってから道と平行に進みますよ」

 この草原なら森と違って歩きやすいから移動に関しては問題無いけど…


「魔豚がいたら倒すんですよね?魔豚てどんな魔物なんですか?」

 問題があるとしたら、魔豚との戦闘でどれくらい時間を取られるかよね。

 あまりにも時間が掛かる様なら戦闘は避けないと、午前中に第十階層にたどり着けなくなっちゃう…


「豚の魔物ではありますが、メグさんが考える豚よりも大きいと思っておいてください。

 その大きさの豚が突進してくるので、今のメグさんでは…正面から受けると吹っ飛ばされますね」


「吹っ飛ばされるんですか!そんなに凄い突進力なんですね…」

 豚って言ったら可愛いイメージしか無かったけど、魔物となると違うのね…ちゃんと避けないと怪我しそうだわ…


「今のメグさんではですよ。もっとレベルが上がれば正面から受け止められる様になるとは思います。

 ですが、今は避けながら何度も切りつける様にしてください。動きは素早く無いので、避けるのは難しく無いはずです」


「…何度も切りつけないとダメですか?」

 何度も切りつけるとなると、時間が掛かりそうね…


「これも今のメグさんではですね。レベルが上がるか、武器が強くなるかすれば倒すのに必要な攻撃回数は減りますよ」

 レベルが上がれば解決か…でも、直ぐにレベルが上がる訳じゃ無いし、ここは時間を掛けるしか無さそうね。


「分かりました。カレンさん、少し奥の方に進みましょう」

 ゆっくりしてる場合じゃ無いわ、早く行きましょう!

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