第88話

「ケイト、おはよう!」

 今日は爽やかな朝ね!


「おう、おはよう…今日は元気そうだな」

 そうなのよ!ケイトにも分かる?


「昨夜は触手を動かす練習は短めにして早く寝たもの!元気いっぱいよ!」

 不安が全部無くなった訳じゃないけど、昨日の朝と比べたらずっと楽だわ!


「そいつは何よりだ。よし、今日も飯食ったらダンジョンだな。メグ、食堂行くぞ」

 朝食ね!急ぐわよ、ケイト!




「今日は第十階層に行けばいいのよね?」

 時間を無駄に出来ないわ!今日も食事しながらミーティングね!


「そうだな。第十階層についたら第九階層に戻ってレベル上げだな」


「要するに、いつも通りね」

 分かりやすくていいわ。


「そう言うこった。第九階層は魔豚…豚の魔物だな。魔鶏より強いし、いきなり三匹まで出てくる。引率つけてるし大丈夫だとは思うが…気をつけろよ?」

 いきなり三匹で来るのは厄介ね。でも…


「慣れるまではカレンさんが一匹相手に戦える様にしてくれると思うから大丈夫よ」

 一匹に慣れたら二匹、二匹に慣れたら三匹って段階を踏んでくれると思うわ。


「それなら問題ねーけど…わざわざ間引いてくれるのか?」


「違うわよ?一匹の魔物に会いたいと思ってるとそうなるって言ってたわ」

 引率されてる身としては助かるけど、あそこまで運がいいと怪しいレベルよね。


「…何処まで運がいいんだよ。何かスキルでも持ってんじゃねーか?」


「知らないわよ、どんなスキル持ってるのかなんて聞いてないもん。冒険者はスキルを人に教えたらダメなんでしょ?」

 引率の時に教えられたわよ?


「まあ、そうだな。聞いたところで言わないだろうし意味ないか」

 …後で試しに聞いてみようかしら?




「ええ、スキルなら持ってますよ。どんなスキルかは言いませんが」

 ギルドでカレンさんに聞いてみたけど、やっぱり教えてくれなかったわね。


「…ですよね」

 まあ、そこまで期待してなかったから気にしてないわよ?私もそのスキル覚えようとか企んで無いわよ?…ほんとなんだから…


「今日はまず第九階層に移動しましょう。そこから魔豚を倒しながら第十階層を目指しますね」


「倒しつつなんですか?昨日までは先に新しい階層まで進んでから、改めて倒しに戻ってましたけど?」

 何か状況が変わったのかしら?


「第五階層から第八階層は森でしたからね。森で魔物を探しながら先の階層を目指すのは大変です。

 その点、第九階層は草原なので中央の道を通らなくても歩きやすいですから、魔物が出る区域に入って石柱を目指すのもいいと思いますよ」

 …第九階層は地形が変わるんだ。それなら進み方が変わるのも納得ね!

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