第83話

「えいっ」

 魔鶏が襲ってくるのをナイフで倒す…昨日も散々やったし、もう慣れたものね。


「メグちゃん、ナイフ使うの上手だね!」

 エミリーさんに褒められたけど、ちゃんと使えてるのか自信は無いなぁ…


「魔鶏はもう問題無いですね」

 カレンさんが見ても特に悪いところは無いみたい…少しは自信持ってもいいのかも。


「ありがとうございます。今のでレベルが上がりました」

 ナイフを使うのが上手いのかは分からないけど、レベルが上がって魔物を上手く倒せる様になってる感覚はあるわ。

 またレベルが上がったし、これでもっと上手く倒せるわね。


「メグちゃん、レベル幾つなの?」


「22になりました」

 レベル100にはまだまだだけど、私もずいぶんとレベルが上がったわよね。


「それなら第九階層、第十階層であとちょっと頑張れば、初心者卒業だね!」

 初心者卒業…そうしたら私も中級者って事になるのかしら?


「今のペースなら、明日、明後日で第十一階層に行ける様になるんじゃないですか?」


「あと二日でですか…その二日で何をすればいいんですか?」

 初心者卒業の為に私がする事って何?


「特に何も…今まで通り魔物を倒して常設依頼をクリアしていけば大丈夫です」

 …今までと変わらないって事?


「メグちゃんは探索頑張ってるみたいだし、二日あれば第九階層で魔豚を30匹、第十階層で魔牛を30匹倒せるよね?」


「午後もケイトとダンジョンに潜りますから、大丈夫だと思いますけど…」

 魔物の強さにも拠るけど、午前中だけでも間に合うかも知れないし…午後も含めれば確実だと思うわ。


「それなら条件はクリア出来るよ。もう少しでDランクだね!」

 Dランク…ランクが上がるのか…


「Dランクになると初心者卒業って事なんですか?」


「Dランク以上になると、第十一階層に進めるんですが…第十階層までしか進めない冒険者は初心者扱いなんです」

 先に進むにはDランクになっておく必要があるのね。


「Dランクが一つの基準なんですね」

 後二日で初心者卒業か…初心者じゃなくなったからって直ぐに何か変わる訳じゃ無いけど、成長したみたいで嬉しいわね。


「そうなりますね。初心者エリアとはいえ、第九、第十階層はこの階層よりも手強くなりますよ。

 今レベルが上がったので午前中ではもう上がらないかも知れませんが、少しでも経験値を稼いでおきましょう」

 そうね、ここで少しでも経験値を稼いでおけば、午後の探索でレベルが上がりやすくなるものね。

 先の階層に備えて、強くならなくちゃ…

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