第80話
「…メグ、帰ったら話がある」
クラウディアさんの家から宿に帰る時、ケイトが話し掛けてきたけど…何か深刻そうな顔をしてるわね。
「…分かった」
それっきりケイトが喋らないから、宿まで黙々と歩いたわよ。少し気まずかったわ。
「それで、話って何なの?」
宿の部屋に戻ってケイトに話を聞くと…
「…あー、落ち着いて聞いてくれ。メグは新しくスキルを覚えられないだろ?あれには原因があるんだ」
何その爆弾発言!落ち着いてられないわ!
「原因が分かったのっ!!」
ちょっと、早く言いなさいよ!
「いや…原因なら前から分かってた」
…前から…分かってた?
「…どういう事?」
…私は聞いて無いわよ?
「前に簡易鑑定したらしいぞ」
「簡易鑑定?簡易鑑定で原因が分かるの?」
確か簡易鑑定って物の名前が分かるくらいだったわよね?
「普通は無理だぞ?かなり簡易鑑定を鍛えたやつに見て貰ったんだろうな」
そういう事か。でも覚えて無いわね。いつの事なのかしら?
まあ、いいわ。今は原因について聞く方が大事よね。
「それで…私が新しいスキルを覚えられない原因て、何なの?」
それが分かるなら、私も新しいスキルを覚えられる様になるかも知れないのよね?
「…呪いだ」
「…呪い?…嘘でしょ?」
私、呪われる様な覚えなんて無いわよ?
「本当だ。だが、その呪いは解けるらしい」
「…解けるの?」
解けるのなら安心なんだけど…
「ああ、さっきクラウディア様に見てもらったろう?クラウディア様が呪いを解く方法をご存知だった」
「ほんとに!…良かったぁ」
ほんとに解けるのね!
「それ相応の聖属性魔法が使えれば解けるそうだ」
あ、さっき地下室で言ってたわね。呪いを解く話だったんだ。それにしても…
「それ相応の?」
それ相応ってどの程度なのよ?
「それ相応だ。普通に使えるだけじゃダメなんだろうさ。
それで、メグの呪いはミヤマが解く事になった。少し待てば解いてくれるそうだ」
「ミヤマさん?ミヤマさんてそんなに聖属性魔法が得意なの?」
それほど親しい訳じゃ無いけど、そんな話は聞いた事ないわね。
「さあな。回復の時の様子で聖属性魔法が使えるのは分かるが、そこまで得意かは分からねーな」
「それで大丈夫なのかしら…」
ミヤマさんには悪いけど、ちょっと心配ね。
「ミヤマだけを見て信じるのは難しいが、クラウディア様が出来ると言ったんだ。ここは信じるしかないだろう」
「分かった…私には何も出来ないんだし、信じて待つしかないわね」
私には信じて待つ事しか出来ない…それは分かってるんだけど…
「そう言うこったな。よし、下に飯食いに行くぞ」
…もう、そんな時間なのね。あんまり食欲が湧かないけど、食べにいかなきゃね。
食べられるかなぁ…
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