第79話

「いいでしょ、別に!カレンだって歳下の男性冒険者と行きたいと思ってるくせに」

 エミリーさん、ミヤマさんとの事を言われてムキになってる…ムキになるって事はほんとなのかしら?


「…エミリー、余計な事は言わなくていいからね」

 エミリーさんとは反応の仕方が違うわね。これは本当?嘘?どっちなのかしら?


「カレンさん、歳下が好きなんですか?」

 引率の時はあんなに真面目そうなカレンさんは、そういう趣味なの?どうなの?


「カレン、最初は引率も若い男の子がいいって言ってたもんね」

 そんな事いってたの!


「エミリー、ほんとに余計な事言わなくていいから!」

 あ、この反応は本当っぽい…


「すいません、若いけど男の子じゃ無くて」

 私が男の子ならカレンさんの望みが叶ったんだけど…


「メグさんて何歳なんですか?」


「15歳です」


「じゃあ、メグさんじゃ無くて、メグちゃんだね!15歳で毎日ダンジョンで頑張ってるのか…凄いなぁ」

 メグちゃん…何だか新鮮な響き…


「エミリーさんは何歳ですか?」

 私をちゃん付で呼ぶなら歳上だとは思うけど…


「私は19で、カレンが20なんです」

 やっぱり歳上か…でも、そんなに離れて無いわね。


「その年齢なら、歳上でも歳下でも好きな方でいいんじゃないですか?私の歳だと歳下になると子供だけど」


「15歳だとそうですよね。メグちゃんは歳上の方がいい?」


「歳上の方が色々教えてくれて、良さそうな気がします。カレンさんは歳上に教わるより、歳下に教えたいって感じですか?」

 自分の歳によって考え方って変わっていくのかなぁ…


「そうなんですよぉ、カレンたら恋愛は自分がリードするって言ってるんですよぉ」

 カレンさんに聞いたのにエミリーさんが答えちゃうのね…


「………」

「………」

「………」

 あ、ケイト達戻って来た…今の話、聞かれたかしら?


「エミリー、ずいぶんと楽しそうじゃないか…練習は、したんだろうね?」

 うん、聞かれちゃったみたいね…


「あ、お師匠さん…え〜と…」

 エミリーさん、ちょっと目が泳いでるし…練習見せるって話だったのに、練習してなかったんだからそうなるわよね…


「…まあ、いいよ。こっちの話は終わったけど、これからどうする?」

 どうやら見逃してくれるみたい。エミリーさん、優しいお師匠さんで良かったわね。


「私達は帰ります」

 ケイトが帰るって言ってるし、私も帰るのよね…歳が近い女の子と話すの久し振りだったから楽しかったのになぁ。


「私は少し練習してからギルドに行ってみましょうかね」

 ミヤマさん、練習してからまたギルドに行ってダンジョンに潜るの?ダンジョン好きなのかしら?


「私も練習しようかなぁ」

「私も練習します」

 カレンさんとエミリーさんは練習してなかったもんね。

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