第45話

「さあ!動かすわよ!」

 食事も終わった、お風呂もはいった、後は寝るまで練習ね!両手から触手を出して準備万端よ!


「気合い入ってんなぁ…触手の話を聞いてやる気になったみたいだな」

 気合い入ってる?当然よ!


「当たり前じゃない!今までは手探りだったけど、実際に触手を使ってるミヤマさんに話が聞けたのよ!やる気も出るわよ!」

 とは言ってもやる事は今までとそんなに変わりないんだけどね。


 今まで通り触手を出して動かすだけ。それは変わらない。変えるのは動きの質…早く!正確に!


「おっ!…昼間よりちょっと早く振れてるんじゃねーか?」


「そうよねっ!早いわよねっ!」

 ケイトにもそう見えてるなら間違い無く早くなってるわね。


「てことは昼間は触手の力を引き出せてなかったんだな」


「どういう事?」

 ちゃんとスライムを倒してたじゃない?


「昼間レベルが上がった後にもスライム倒したけどよ、そこまで触手の動きは早く無かっただろう?」


「…そうだったわね」

 確かに今ほどの早さは無かったわね。


「つまり、レベルが上がった時点で触手はそれだけの早さで動けたはずなのに、メグが意識してなかったから早く動いて無かったって事だな」

 …そういう事か。触手はもっと動けたのに、私が分かってなかったから、能力を発揮しきれなかったのね。


「レベルが上がる度に触手の能力を確認した方がいいわね」

 スライム相手ならいいけど、もっと強い魔物と戦う時に能力を発揮できなかったら困っちゃうもの。


「そこまで出来るかは分からねーが、小まめに確認しとくのは大事だな」


「ケイトもやってたの?」


「やってたぞ?今はレベルが100で動かないから関係ないが、前は急にレベルが変わったり武器を変えたりしたら、その都度動きの確認はしてたな」

 ケイトもやってたんだ…冒険者には必要な事なのね。


「そっか…私もやるようにしないとね」

 自分の力も触手も、ちゃんと理解しとかないと。


「とりあえず今のレベルでどれだけの動きが出来るのか確認しとけ」


「分かったわ、そうする!」

 早く動かせるのは分かったから、次は正確な動きね…正確な動きって、どうやって確認すればいいのかしら…


 剣で正確な動きった言ったら思った場所を切れる事よね?触手だったら…思った場所に触る事かしら?


 そうだっ!さっきミヤマさんが言ってた自分の背中を押すのをやってみましょう!

 それなら自分でちゃんと押せてるか分かるし、正確な動きの練習にもなるわよね?

 よし、背中押すわよ!

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