第40話
第四階層での釣りが終わってギルドに戻ったら、ケイトは一人で酒場に居たわ。今日はサラさんとキャシーさんは居ないのね。
「はっ?…70匹?」
ケイトに合流して、第四階層で魔魚を何匹釣ったか聞かれたから正直に答えたらこう言われたけど…
「何よ?その変な人を見る様な顔は」
そんな顔して、信じて無いのかしら?
「いや、70匹釣ったなんて言われたらこうなるだろう?」
「ほんとの事なんだから、そう言うしか無いじゃない」
ここで嘘ついたって仕方ないんだから。
「ほんとの事って言われてもなぁ…」
やっぱり信じて無いわね。それなら…
「じゃあ、先に換金する?」
そうすれば、ほんとだって分かるわよね?
「…いや、飯食ってからでいい」
…それもそうね。酒場にいるのに注文もせずに出るのは気まずいし、後にしましょう。
昼食の後で買い取り窓口に行き、魔石と魚を換金したわ。魔石が一つ500G、魚が一匹300G、合わせて800Gね。それが70組あるから…56,000G!
あれ?…58,100Gある…計算が合わないわね。常設依頼?魚を10匹売ると依頼達成になるんだ?凄い稼ぎになったわね。
レベルも二つ上がって11になったし、いい探索だったわ。
…あ、釣り竿も返さなくちゃ!
「釣り竿の返却もここで大丈夫ですか?」
買い取り窓口で尋ねてみると…
「大丈夫ですよ。…えー、釣り竿を借りたのは…」
良かった、ここで大丈夫みたいね。
「借りたのはカリンさんです」
そうよね、私が借りて無いんだからちゃんと言わないとダメよね。
「カリンさん…引率で使用したんですね。はい、返却確認しました」
これで良しと。
買い取り窓口での用事を済ませて、それを見ていたケイトの方に近づくと…
「ほんとだったんだな…」
そう言われたわ。やっと分かって貰えたみたいね。
「だからそう言ってるじゃない!」
私は嘘は言わないわよ!
「普通はそんなに釣れねえんだよ!」
…そう言えばカレンさんも早って驚いてたわね。私も早いとは思ってたけど、信用されないレベルの早さだったのね。
「そこはほら、カレンさんが運がいいから」
きっと私一人だったら、今日の半分も釣れて無いんだろうなぁ。
「…まあ、それだろうなぁ」
ケイトも渋々ではあるけど納得したわね。
「ねえ、ケイト、午後は第三階層だったわよね?」
釣りについては納得して貰ったからもういいわね。ここからは気持ちを切り替えて午後の事をかんがえましょう。
「ああ、そろそろ行くか?」
「ええ、行きましょう!」
レベルを上げる為に経験値を少しでも稼ぎたいし、スライムを投げられるかも試したいし、まだまだやる事があるのよ。
さあ、午後も頑張るわよ!
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