第39話

「早いですね。ちょっと待っててください…これで良し」

 カレンさんが大きな木の箱を取り出して地面に置いたわね。何に使うのかしら?


「メグさん、その魚…魔魚って言うんですけど、魔魚にとどめを刺してください。

 陸に上げてしまえばスライムより弱いので、ナイフの一突きで倒せます」

 そっか、魔物だから倒さないとダメなのね。釣り上げるだけで安心してたわ。


「うぅ…ヌルヌルしてそう…あんまり触りたく無いけど…えい!」

 ビチビチと動いてる魔魚を押さえて、ナイフで刺したけど…何これ?魔魚が消えて小さな魚と魔石が出てきたんだけど?


「出来ましたね。では、魚はこの箱に入れてください。メグさん、そのポーチってマジックバッグですよね?この箱は入りますか?」

 何が起こったのかよく分からない私にカレンさんが声を掛けて来たけど…カレンさん、落ち着いてるわね…これは当たり前の事なのかしら?


 それより、このポーチがマジックバッグだって良く分かったわね。言った覚えなんて無いのに…今まで魔石を入れてたの見て分かったのかしら?さすがは引率をするだけあるわね。良く見てるわ。


「それくらいなら…入りました」

 バレてるなら誤魔化す必要無いわよね。この箱を入れたら容量は…うん、まだ余裕ありそうね。


「また釣れたらその箱に入れてください。箱は三つ借りてきましたんで、10匹入れたら次の箱を使います」

 一箱10匹ずつね、分かったわ。


「分かりました。それじゃもう一度行きますね…掛かった!」

 カリンさんの説明を聞いて釣りを再開したら、また直ぐに魔魚が掛かったんだけど…


「早っ!!」

 そうよね?早いわよね?




「30匹釣れちゃった…」

 その後も立て続けに釣れて、あっという間に30匹釣り終わったんだけど…

 二日かかるって言ってたのは何なの?これもカリンさんの運の強さのお陰かしら?


「…とりあえず、第五階層に行きますか?」

 カリンさんも若干、気まずそうね。


「…そうですね」

 ケイトも30匹釣ったら先に進めって言ってたし、行くだけ行きましょう。


「メグさん、この後の希望は何かありますか?」

 第五階層についてカレンさんに聞かれたけど…希望か…


「まだ時間はあるんですか?」

 それによって希望も変わるわよね。


「ええ、かなり…」

 うん、魔魚を釣り終わるの時間掛からなかったもんね。


「それなら…」

 私達は一度ギルドに戻って、新しく魔魚を入れる為の箱を借りてから、また第四階層に来たの。

 せっかくだもの、カレンさんが居る間に釣りまくって稼ぐわよ!目指せ、借金返済よ!

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