第38話


 今日も朝からギルドに来たら、カレンさんが誰かと話してるけど…知らない女性と…回復の人?…よね…

 私がカレンさんに声を掛けたら、直ぐに二人は行ってしまったけど…

 まあ、そんな事はどうでもいいわね。そんな事よりダンジョンよ!


「魚を30匹ですか?」

 カレンさんと二人になった時に、昨夜ケイトと決めた事を話したわ。


「はい!第四階層で魚を30匹釣ってから次の階層に進みたいんです!」

 ランク上げるのに必要なのよね?頑張って上げるわよ!ランク上げるとどうなるかは知らないけど…


「30匹なら二日あれば確実ですね。運が良ければ一日でもいけるでしょう」


「そうなんですね!それじゃあ早く行きましょう」

 釣りなんて初めてだから、ちょっと楽しみではあるのよね。


「ちょっと待ってください。釣りをしたいなら道具が必要ですよ」

 カレンさんが受付に道具を借りに行っちゃった。それもそうね、手ぶらじゃ釣りなんて出来ないわよね。




「何処で釣ればいいんだろ…」

 第四階層に移動してきたけど、人が多いわね。これじゃ釣る場所に迷うわ。


「少し先まで進みましょう。人が居ないところの方が釣りやすいですからね」

 うん、その方が良さそうね。


「何で急に人が増えたんですか?」

 第三階層までは、こんなに人は居なかったわよ?


「この階層からは魔石以外のドロップも出る様になるんです。第三階層よりお金を稼げるんで人が増えるんですよ」

 そういう事か…それじゃ、人が増えるのも当たり前ね。


「ここら辺でどうですか?」

 少し奥まで歩いたら、人の居ない場所があったけど…


「いいと思います。やってみて釣れない様なら移動してもいいですしね。まずはここでやってみましょう…メグさん、これを」

 カレンさんに釣り竿を渡されたわ。これを受付で借りたのね。


「これで釣るんですね!何かコツみたいなのってありますか?」

 この針についてる羽みたいなのが餌の代わりになるのよね?それっぽく動かしたりした方がいいのかしら?


「良く釣れるポイントでやるのが一番ですけど、そうで無くても釣れはします。

 技術は特に必要無いですよ。相手は魔物なんで、何も考えずに食いついてきます」

 そうなんだ?思ったより簡単そうね。


「分かりました…やってみます!」

 竿を振って針を湖に落とすと…


「何か引っ張ってます!」

 五秒も経たずに竿がしなって引っ張られてるけど、もう釣れたの?


「早っ!そのまま竿を立てて引っ張り上げてください」

 カレンさんも驚いてる。やっぱり早いのよね?…そんな事より、とりあえず釣り上げなくちゃ!


「はい!…釣れました!」

 言われた通りに竿を立てて釣り上げたけど…40cmから50cmくらいあるわね。


 これは大きいのかしら?初めてだから分からないけど、こんなに早く釣れるなんて才能あるのかしら?


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