第33話

「いえいえ、楽になって良かったですね〜」

 私がお礼を言ったらこう返されたけど…話してみたら普通の人ね。変な人じゃ無くて良かったわ。


「はい!これ、毎日やってるんですか?」

 毎日やってるなら明日も来ようかしら?


「いや、次は明後日の予定で、あと9回やったら終了ですね〜」

 そっか…毎日じゃ無いのか…


「そうですかぁ…明日また痛くなったらどうしよう…」

 お風呂に入ったら取れると思ってたけど、回復と比べると取り切れて無いのが分かってしまったわ。


「理想は痛くなる前に対処して欲しいんですけど、酷くなる前だったら腰周りを押してもいいですね〜」

 押す?押すと楽になるの?


「どこ押せばいいんですか?」

 自分で押して楽になるんなら、押してみるわよ。


「ん〜、自分で押すとしたら…ちょっと腰触っていいですか〜?」

 回復の人に聞かれたけど…


「はい、どうぞ」

 そうよね、実際に押して貰った方が分かりやすいもんね。


「では失礼して…ここです」

 腰を後ろから掴む感じね…背中の筋肉に親指を当てるのか…


「あー、気持ちいいですね…」

 横から押す感じなのね…ゆっくり押して、ゆっくり離すのを三か所か…ああ、気持ちいいわ…


「今はそんな感じですけど、疲れてる時に押すと効くなーって感じがすると思いますよ〜」

 そうなんだ!腰の状態によって感じ方が変わってくるのね…


「今のどこ押したんですか?」

 押される感覚は良く分かったけど、場所がちょっと分かりにくいわね。


「誰か背中貸してください」

 そうね、誰かの背中を押すところを見せて貰えたら分かりやすいけど…貸してくれる人なんて居るかしら…


「アタシの使っていいぞ」

 キャシーさん!ありがとー!


「ありがとうございます…ここです」

 やっぱり見せて貰うと良く分かるわね。


「ここですか…他にも押したらいいところありますか?」

 せっかくだから聞いとこうかな。


「ありますけど…ん〜、一応説明しておきましょうかね。お姉さん、ベッドに下向きで横になって貰っていいですか〜?」

 寝てやるの?ちょっと教えて貰おうかと思って軽い気持ちで聞いちゃったけど、大変なのかしら?


「いいぞ、ほれ!」

 キャシーさん、手間かけさせてごめんなさいね…


「すいませんねぇ。では…」

 そう言うと回復の人はキャシーさんの身体を押し始めて…背中…あそこは腰なのかな?…それとお尻…

 

「結局、お尻触るんじゃねーか」

 キャシーさん、笑ってる…お尻っていやらしい意味じゃなかったんだ…


「お尻触られたけど、気持ちよかったなぁ」

 押されるのが終わってからキャシーさんが言ったけど、お尻って気持ちいいのかしら?


「これ、疲れた時にやるともっと気持ちいいですよ?」

 腰が疲れてる時に押すと効くって言ってたのとおんなじね。


「そうなのか?明後日、回復する前にやってみてくれよ!」

 キャシーさん、やって貰うんだ…私もやって貰おうかなぁ…

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る