第29話

「ダンジョンは不思議だって聞いてたから、そこまでは気にしてないけど…」

 お父様が話してくれたもの……お父様、元気にしてるからしら…


「ああ、気にしないのが一番だな。その上でどうなってるのかの情報は入れる様にしとけよ?情報を知らなかったせいで命を落とす事だってあるんだからな?」

 それは怖いわね。情報はそれだけ大切って事ね。覚えておくわ。


「よし、飯も食ったしそろそろ行くか!メグ、行けるか?」


「大丈夫、いつでも行けるわよ!」

 準備は出来てるわ!早く行きましょう!


「じゃあ、第三階層でレベル上げだな。移動するぞ」




「メグ、昨日の夜は触手を長くしただろ?あれで戦えそうか?」

 どうかしら?昨日の感じなら行けそうな気はするんだけど…


「たぶん大丈夫だと思うけど…」

 思うんだけど、実際にやってみないとね。


「まあ、試してみるか…今なら反撃されても多少痛いくらいで済むだろ」

 ケイトったら何言ってるのかしら?多少でも痛いのは嫌なのよ?反撃されない様にしなくちゃ…


「やってみるわ。まずは……出来た」

 両手に長めの触手を出して、これで準備は出来たわね。


「よし、スライム探すか」


「いたわね…スライムが二匹」

 触手が長くなった分、少し距離を空ければ大丈夫よね…うん、これくらいね。


「いくわよ!…ふっ!んっ!…倒せたわね」

 距離感ピッタリ、威力も上がったし、長くなったからってそんなに重くなった感じもしない。

 いいんじゃないかしら!これならこのまま戦えるわ!


「短い時と同じ様に動けてるじゃねーか。そのままレベル上げ出来そうだな」

 そうよね!出来てるわよね!


「この調子で行くわよ!」


「おー、頑張れ頑張れ」


「あ、レベルが上がったわ!」

 何匹か倒してるうちにレベルが上がったわ!また強くなってしまったわね!


「おっ!いいじゃねーか。ちょっと動かしてみろよ?」


「……また、動きが良くなったわね」

 スピードも力も少し上がってる感じがするわ…動かせる幅も広くなってる…いい感じじゃない?


「なあ、それ腕の振り無しで、触手の動きだけでスライム倒せねーか?」

 触手の動きだけでか…


「どうかしら?やってみるわね」

 今の感じなら何となく出来そうな気はするけど…


「試すなら一匹で出てきてスライムにしとけよ?それが出来てから群れで試せ」


「分かったわ!スライム探すわよ!」

 それから見つけた群れてるスライムを何匹か倒していると…


「見つけた!…一匹のスライム」

 …さあ、触手の動きだけで倒せるか、試させて貰うわよ!

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