第30話
「……いくわよ!」
距離は腕を振ってる時と変わらないから、こんなものよね?
手をスライムに向けて伸ばして…手のひらから下に垂れてる触手を根元から徐々に立ち上げて…その力を先の方まで伝える…触手が上に立ち上がったら、今度は根元からスライムに向けてしなるように倒していく…スライムに当たる手前で力を込めて…叩く!
「やった!出来た!」
ヒュッと音をたてて進む触手の先がスライムを捉えると、光の粒の様になって消えていったわ…触手だけで倒せるじゃない!
触手…なかなかやるわね!
「出来たじゃねーか。腕を振りながらやるのと、どっちがやり易い?」
「腕を振る方かしら?」
腕を動かさないのに慣れたら変わるかも知れないけど。
「よし、それじゃ腕を動かしながらやるのに動かさないのを混ぜてみろ」
「いいわよ!さあ、次のスライム探さなきゃ!」
どちらのやり方でも倒せる様に練習するのね!頑張るわ!
その後もスライムを倒し続けて、また一つレベルが上がったわ。また少し触手の威力が上がったわね。
触手だけ動かして倒すのにも慣れてきたから、最初の時みたいに考えて動かさなくても良くなったし。成長してるわね、私。
「そろそろ上がるか…メグ、お疲れさん」
「もうそんな時間?早く感じるわね」
レベルも上がったし、触手の使い方も上手くなったし、今日はいい探索になったわ。腰はちょっと痛いけど…
それと問題は…
「やっぱり魔石があんまり出なかったわね」
スライムを倒した数の三分の一くらいかしら?少し寂しいわね。
「これが普通なんだよ!つまんねえ事いって無いでギルドに戻んぞ!」
「おっ、ケイト。終わったのか?」
ギルドに戻ると酒場にいたキャシーさんに声を掛けられたけど、また飲んでるのかしら?
「今、終わったとこだが…二人は回復に行くんじゃ無かったのか?」
回復…そう言えば昼間にケイトとサラさんがそんな話をしてたわね。
「今いってもまだ人がいるからな。人が途切れる最後の方に行くんだよ。ケイトもそうした方がいいぞ?」
飲んでた訳じゃないのね…回復まで時間潰してたんだ…
「そうか、ならこの時間で換金しちまうか。メグ、買い取り窓口に行くぞ」
換金!昨日の分もあるし、結構な額になるんじゃないかしら?
そう思ってたら34,900Gだったわ!二日分だけど初日の10倍じゃない!てことは一日で考えると5倍ね!
この調子で行けば、ケイトにお金を返せる日は遠くないわね。早いとこ借金生活から卒業しなきゃ!
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