第26話

「動きが良くなってるわね…」

 人に見られても恥ずかしくない触手目指して練習を始めたけど、昨日の夜より動きがいい気がするのよね。

 レベルが上がったからなのか、動かすのに慣れたからなのかは分からないけど、この調子でもっと動かせる様にならなきゃね。


「だいぶ動かせる様になったじゃねーか」

 ケイトにもそう見えてるのね。なら私の気のせいじゃ無いわね。


「そうよね!私、成長してるわよね!」

 ダンジョン2日目も頑張った成果が出てるわね。こうやって結果に繋がるとやる気になるわ。


「ああ、触手の動きは成長してるな。他には成長してるとこ無いのか?」

 他に?他にも成長してるとこねぇ。そんなとこあるかしら?


「ん〜、そうね……」

 昨日みたいに触手魔力を注いで長くしてみたけど…


「昨日みたいにダルくならないわ」

 昨日と同じ事が、昨日より楽に出来る。これも立派な成長と言っていいわね。


「魔力が増えたからだろうな」

 魔力が増えたのはレベル上げのお陰よね?


「体力も魔力も上がるなんて、レベルって凄いわね」


「そうだな。メグもレベル上げ頑張れよ」


「ケイトはレベル幾つなの?」

 Sランクって言ってたから高いとは思うんだけど…


「レベル100だな。転生も一度してる」

 レベル100!上限まで上がってるじゃない!


「凄いじゃない!ケイトって強いのね!」

 さすが私の専属メイドだわ…メイドに強さは関係無い気もするけど、強いに越した事は無いわよね?


「褒められるのは悪い気はしねーが、これくらいならゴロゴロいるからな」


「ゴロゴロいるの!…特別な事じゃないんだ…」

 レベル100がゴロゴロいるなんて…恐ろしいわね、冒険者って。


「そうだな。ゴロゴロいるって事は、選ばれたやつだけがレベル100になれるなんて事は無いって分かるだろ?…だから、メグだってなれるんだぞ?」


「私にもなれるんだ…そっか!頑張る!」

 コツコツやっていけば私でも届くのよね。頑張るわよ!


「とりあえずレベル上げを頑張るのは明日の午後な。今は自分のスキルをしっかり把握する事を頑張れ」

 …ここにはスライムもいないし、仕方ないわね。


「分かったわ、そうする!」

 スキルの把握よね?何をすればいいのかしら?…そうね、せっかく長くしたんだし、このまま動かして…


「…動かし難いわね」

 長くなった分、意志が伝わらないって言うか…短い時より雑な感じね。


「課題が見つかったな。その長さで自由に動かせる様に練習してみろよ」

 そうね…そうして少しずつ長さを伸ばしていけば…


「そのうち100m先まで攻撃出来る様に…」

 遠くから狙い撃ち…我ながら恐ろしいわ…


「お前はどこ目指してるんだよ…」

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