第25話

 ケイトに気になってる事を聞いてるうちに食事も終わったわね。美味しかったわ。

 さあ、お茶でも飲みながら少しゆっくりしようかし…


「…………………触手………です…ね」


——ビクッ

 今の誰よ!…なんで触手の話なんかしてるのよ?…まさか、私が触手使ってるの見られた?隣りの人こっち見てない?

 怖くてちゃんと見れなかったけど、こっちを見てる気がするわ…私が触手を使うの知ってるのかしら?

 …早く此処を離れなきゃ!二階?二階に行けば追ってこないわよね?


「どうした?メグ?」

 私の様子がおかしかったからかしら?ケイトが声を掛けてきたわ。でも…


「何でもない…私二階に行ってるわね…」

 ゆっくり話してる場合じゃないのよ!私は行くからね!


「あっ…おい、待てよ…」

 ケイトも直ぐに追ってきて、二人で部屋に戻ったけど…


「はぁー、ビックリした…」

 …ふぅ、まだドキドキしてるわね。


「メグ?何があった?」


「…食堂で隣の人が触手って言ったのよ」

 いきなり言うんだもん、焦ったわ。あれって私に言ってたのかしら…


「そんな事かよ…もっとヤバい事でもあったかと思ったのに、心配して損したぜ」


「そんな事って何よ!」

 触手を使ってるのを見られたかも知れないのよ?十分ヤバいわよ!


「そんな事だろうが!触手の話をされたくらいでオタオタしてんじゃねーよ!まったくよぉ…触手って言ったってメグの話をしてるとは限らねーだろうが」


「それは!…そうだけど…」

 そうだけど…いきなり隣であんな事言われたら考えられなくなるわよ…


「なあメグ、よく聞けよ?今は触手の事は隠してるが、そのうち確実にバレるからな?

 そうなった時に今みたいに取り乱すんじゃねーぞ?」


「バレるの?」

 今みたいに人の居ないところで使えば大丈夫じゃないの?


「当たり前だろ?いつまでも隠し通せるもんじゃねーし、いつか人前で使わなきゃいけない時もあるだろうしな。

 その時に見られて恥ずかしくないくらいに鍛えておけよ?」

 …そうよね…私のスキルは触手だけだもんね…このスキルと生きていくんだから、触手を使ってるって胸を張って言える様にならなきゃダメよね…


「…分かった、頑張る!」

 まだ寝るには早いし、触手を動かす練習をする時間はあるわね。


 今日もレベルが上がったけど、触手は腕の振りと一緒に動かすのをずっと続けてたから、動きに変化が出ているのか確認できて無いのよね。

 まずはその確認からね。人に見られても恥ずかしくない触手目指して頑張るわよ!


 

 

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