第22話
それからは考えながら戦ったわよ。最初に倒すべきはどのスライムか?二匹目は?三匹目は?
二匹目を倒す為に移動しなくていい場所はどこか?三匹目を倒す時は移動するのか?三匹目も移動せずに倒せる場所はあるのか?
頭の中でしっかりと考えてから攻撃を始めたの。
最初は考えるのに時間が掛かったけど、繰り返していくうちに考える時間は少しずつ短くなっていったわ。
触手での攻撃も一発目から三発目までスムーズに出来るし、私も成長してるわね…
「まだまだだな…」
「何でよ?ちゃんと倒せてるじゃない?」
相手がスライムだとは言え、我ながらよくやってると思うわよ?
「一振りごとに身体が前に倒れていってる。それじゃ、腰に来るぞ?」
「また腰なのっ!昨日も腰が痛くなってたのに…」
冒険者って、腰痛との戦いなのね…
「腰を曲げるからだろ?腰を曲げるんじゃなくて、膝を緩めて身体を落として、その力を手の先に伝るんだ。
触手は……自分で試してみるんだな」
…途中までは冒険者の先輩としていい事教えてくれてると思ったんだけど、触手の事になったら適当じゃない?
それも仕方ないのかしら?ケイトは触手のスキルを持ってる訳じゃないものね。
あー、誰か触手について詳しく教えてくれる人がいないかしら?
「ケイトには触手に詳しい知り合いは居ないのかしら?」
触手で戦う冒険者の知り合いが居れば一番いいんだけど…
「居ねえな…居たら最初から話を聞きにいってるよ」
「それもそうね…もうっ!何でこんなに触手を使ってる人は少ないのかしら!」
ギルドの酒場で昼食を取ってた時、自分の武器の話をする人は居ても、触手の話をしている人なんて居なかった。
「そりゃあ…なあ?…触手って言ったら…あれだしなぁ…」
「私だって分かってるわよ!触手がよく思われて無い事くらい!」
だから、そんなに言葉を濁さなくてもいいわよ。
「まあ、腐るな…触手は凄いんだって事を、メグが見せつけてやれよ」
「そうしてやるわよ!…そのつもりだけど、その為に何をすればいいのか知りたいのよ…」
今は触手を少し動かすくらいしかまともに出来ないし、この先はどうしていけばいいのかしら?それが分からないのよ…
「分からねーならレベル上げだ。冒険者としてやっていくならレベルは高いに越した事とはないんだ。嘆いてる暇があるならスライムを探せ」
「そうね…レベルが上がれば触手の成長にいい影響があるのは分かってるんだし、上げない理由は無いわよね!
気を取り直してレベル上げするわよ!スライム、待ってなさい!」
ごちゃごちゃ考えてるより、スライムを探して倒してた方が有益よね。コツコツやってくしか無いもんね。よし、やるわよ!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます