第21話
一匹なら余裕よね…私なら出来る!出来る!出来る!そう自分を鼓舞していたら…
「そんなに気負うな…メグなら出来るから」
ケイトに肩を叩かれて言われたわ…そうよね、肩に力が入ってたわね。
大丈夫、地面を叩くのと変わらないわ。
スライムに近寄って…腕を振り下ろし…タイミングを合わせて触手を動かせば…
「…えいっ!…やった!当たったわ!」
出来た!
…終わってみれば、ほんとに地面を叩くのと変わらないわね。
何をあんなに構えてたのかしら?
「スライム一匹なら長い方でも問題無いな。次は二匹で試すか」
「二匹ね!探すわよ!」
どこかしら?私が生まれ変わる為に必要なんだから、早く出てきなさい!
「いたな…出来るか?」
「当たり前でしょ?見てなさい!」
右手で一匹、左手で一匹倒せばいいんでしょ?簡単よ!
「…えいっ!…んっ!」
二匹でも大丈夫ね…二匹目が動く気配を感じる前に倒せたし、まだ余裕があるわね。
「問題無さそうだな…となると、次の目標は三匹だな」
「今の感じなら、三匹でもいけそうな気がするわね」
ナイフで倒すより早い気がするのよね。
「おっ?大した自信だな。実際に目の前にしてビビんなよ?」
「ビビらないわよ!朝だって三匹倒したんだから!」
朝倒した時はナイフだったから条件は違うけど…
「そうかそうか、ならいいんだ。さあ、次の獲物探すぞ」
「いたけど…二匹ね」
「出来るな?さっさとやっちまえ」
「任せて!」
一度経験したもの、二匹なんて余裕よ。すぐに両手の触手で倒してやったわ。
「よし、動きも良くなってきたじゃねーか。その調子で次いくぞっ」
さあ、早く三匹出てきなさい!
「三匹だな」
「…よし!やるわよ!」
右、左、右でいいわよね?
「まあ、待て………こんなもんか」
ケイトが私を止めたと思ったら地面にコインを三つ並べだしたけど…何してるの?
「メグ、このコインを触手で叩いてみろ」
コイン?何で今更コインなの?
「スライムはいいの?」
ほっといても逃げないとは思うけど…
「まずコインを叩いてからだ」
「分かったわよ…ふっ!んっ!…んっ!」
簡単よ、これくらい!
「…まあ、いいだろ。そのコインはスライムと同じ様に並べてある。今の感じで叩けばスライムも倒せるから、やってみろ」
何の意味があるのかと思ったら、予行演習だったんだ…ずいぶんと過保護ね。
「やってやるわ!…ふっ!ふっ!んっ!」
予行演習の後だから簡単ね!…もちろん、そんな事しなくても簡単に出来たわよ?
「よし、問題無いな。今はコインで練習したけど、次は無いからな。
効率よく安全に倒すにはどこに立てばいいのか、どの順番で倒すのか、自分で考えてやってみろ」
…次からがようやく本番て感じね。見てなさい!練習の成果、見せてあげるわ!
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