第20話

「ケイト、おまたせ…そちらは?」


「サラとキャシー、俺の昔の仲間だ。サラ、キャシー、コイツがメグだ」

 昔の仲間!聖都にいる知り合いってこの人達の事ね!


「メグです。よろしくお願いします!」


「サラだ。よろしく」


「キャシーだよ。よろしくな」

 お互い名乗って直ぐに、サラさんとキャシーさんとは別れたけど、何だか強そうな雰囲気のある二人だったわね。


「メグ、明日からしばらく午前中はあの二人とダンジョンに潜ってるから、引率の…何だっけ?」


「カレンさんよ」

 ケイトったら、また忘れてる…


「そうそう、カレンな。引率のカレンと午前中は頑張ってくれ」


「それはいいけど、カレンさんの名前くらい覚えてあげてよね」

 これからもお世話になるんだからね?


「苦手なんだよ、名前覚えるの。それより今日の引率はどうだった?」


「第三階層に行けたわよ」

 ケイトに言われてた計画通りね。


「戦ったか?」


「ええ、第三階層のスライムは問題無いみたいね」

 ナイフで動き出す前に仕留めれば、三匹いても平気よ。


「そいつはいいな。午後は第三階層のスライムでスキルの練習だからな」


「分かったわ。ねえケイト、午後にそなえて何か食べましょうよ」

 ダンジョンを歩き回ってお腹が空いたわ。


「ああ、しっかり食っとけよ?午後の方が長く潜るからな?」

 午前中よりたくさんのスライムと戦えるって事ね。望むところよ!




「さあっ!やるわよっ!」

 スライムは何処にいるのかしら?


「落ち着けよ、やる気出すのは少し奥にいってからでいい」


「なら、早くいくわよ!」

 早く触手の練習をしたいんだから。


「ここらでいいか…メグ、触手出してみろ」

 少し歩いたとこでケイトに言われたから…


「任せて!…ほら、出したわよ!」

 両手のひらに触手を出してやったわ!


「何で両手なんだよ…」


「いいじゃない。これで倍の攻撃が出来るわ!」

 剣でもあるんでしょ?双剣だったっけ?


「上手く使えればな…メグ、ここ叩いてみろ」


「そこね…えいっ!」

 ケイトが指差した地面を叩いてみたけど、昨日より力が乗ってる気がするわね。


「威力はいいな…もう一回同じところな」


「何回でもいいわよ!…えいっ!」

 …我ながらいいんじゃないかしら?ほとんどズレてないわよね?


「ズレなくなったな…次は右手、左手、右手でやってみろ」


「いいわよ…えいっ!んっ!んっ!…どうかしら?」

 左手は右手ほどしっくりは来ないけど、悪くないと思うの。


「左手で叩くときに若干ズレるが…まあ、いいだろう」


「ほんと!やったぁー!」

 ケイトの合格が出たわ!


「これくらいではしゃいでないで、スライム探すぞ」

 スライムね!地面叩いて終わりじゃないもんね!


「いたな…丁度一匹だ、触手が長いままでやってみろ」

 ケイトがスライムを見つけてくれたわ…


「…分かったわ」

 さあ、いよいよ長い触手での実践ね…やってやるわよ!

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