第15話
「ふう…魔力が回復したみたいね」
思ったより早く回復したわね。これで練習再開出来るわ。
「行けそうか?」
「もちろん!」
さっきはずっと休んでたいと思ったのに、魔力が回復したらやる気が出たわね。
気持ちにも影響するのかしら?
「またダルくなったら休みいれろよ?」
「分かったわ!」
さっきは触手に魔力を注いで長くしたら、思ったより魔力を消費したのよね…
同じ事をすれば、また魔力が切れそうになるかも知れないから…
今度は何しようかしら?
「…」
まずは触手を出して……さっき触手に魔力を注いだ時、普通に触手を出す時より魔力を使ったのよね。
それなら素直に新しい触手を出した方が魔力の節約になるわよね…
「……出来たわね」
二本目の触手…出せたわね。両手のひらから触手が出てるわ。
「おー、二本か…二本ともちゃんと動かせるのか?」
どうかしら?試してみましょう。
「やってみる………動くわね…」
手のひらから出してるからかしら?手の延長って考えると動かしやすいわね。
これなら振り回すタイミングに合わせて動かせば、スライムに当てられそうな気がするけど…
しならせて…叩く、しならせて…叩く。うん、出来そうね。
これに腕の振りをつければ…
「宿の中で振り回すなよ?」
「…分かってるわよ」
ここで腕の振りをつけちゃダメよね…床を叩いたら宿の迷惑になるわ。
「動かせて楽しくなってるのは分かるが、暴れるのは明日の午後にしとけよ?」
「分かってるってば!…ねえ、ケイト。明日は長い触手で戦ってみてもいい?」
何だか、やれそうな気がするのよね。
「まずは一匹相手に戦ってみて、どれぐらい触手を使えてるのか見てからだな。上手く出来そうなら長いままでいいぞ?」
「ええ、見てなさい!私の華麗な触手捌きを見せてやるわ!」
今日も触手は使ったけど、ただ振り回しただけだもんね。
明日こそちゃんと使ってみせるわ。
「そんなに気負うな…所詮はスライムだ、負けやしねーよ」
「そうよね?楽勝よね?」
圧倒的実力差で蹂躙出来るわよね?
「まあ、やられれば痛いけどな」
「……痛いの?」
それは嬉しく無い情報だわ…痛いのは避けたいわね…
「そこそこ痛いな。ダンジョン最弱のスライムといえど魔物は魔物だからな。敵とみなしたら体当たりしてくるぞ?」
「これは…やられる前にやるしか無いわね…」
スライム…貴方に恨みは無いけど、私の成長の為に死んで貰うわ…
「いや、カッコつけてるけどスライムだからな?」
いいじゃない、少しくらいカッコつけたって…
「そろそろ寝るか…明日も早いぞ?疲れない程度でメグも寝ろよ?」
「もう少ししてから寝るわ」
今の私に出来るのはこれだけだから…これくらいは頑張らないとね…
「…ほどほどにな」
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