第14話

「とりあえず前より動かせるのは分かったし…次は場所ね!」

 いったん触手のスキルを解除して…右手の次はやっぱり左手よね…


「…んっ!」

 左手の甲を意識して出そうとしたら、ちゃんと左手の甲に出たわね。また解除して…


「…んっ!」

 左手のひらもいけたわね。これなら右手のひらも大丈夫そうね。また解除して…


「…ん!」

 右肩もいける…服があるところでも大丈夫なのね…まあいいわ、次は左肩ね。


「…ん!」

 左肩も大丈夫ね。次は…


「…」

 何度も触手を出したり解除したりしてるうちに、そんなに強く意識しなくても出せる様になったわね。


 どうやら身体中どこからでも出せるみたいだけど…ケイトは見て無いわね。

 人に触手を使う練習させといて、自分は剣の手入れをしてるじゃない。手入れは確かに大事だと思うけど…そうだわ!


「ケイト、見て見て!」

 ほら、こんなとこから触手が出せるのよ?


「ん?どうした?」


「ほら、尻尾!」

 お尻の上のとこから触手を出して見せたんだけど…


「………良かったな」

 …軽く流されたわ……何かしら?この敗北感は…


 …まあ、いいわ。こんな事くらいで挫けないわよ!気を取り直して次の実験よ!


 次は…触手の形が変わるか確かめてみようかしら?

 とは言っても、どうすれば形が変わるのか分からないのよね…魔法なら魔力を注ぐといいって聞くけど…触手も同じかしらね?

 …とりあえず試してみたら分かるわよね?やってみるわ!


「…」

 まずは右手のひらに触手をだして…そこに魔力を注いでいく!


「!?…伸びたわね…」

 30㎝くらいかしら?触手が長くなったわね。もっと注げばもっと伸びるのかしら?


「ほう…いいじゃねーか」

 …今度はちゃんと見てたのね。メンテナンスに夢中で、私の事なんて忘れてるのかと思ったわ。


「魔力を注いだら伸びたのよ」

 触手を出す時よりも注いだんじゃないかしら?


「ふーん、で、ダルいとか疲れたとかは無いか?」


「…そういえば少しダルいわね?」

 言われるまで気がつかなかったけど、何だか少し力が入りにくいような…


「そうか…魔力が切れかかってるな。少し休みいれろ」

 …そっか、これが酷くなると魔力枯渇になるのね。確か気絶しちゃうのよね?気をつけないと…


「休んだら回復するの?」

 回復するんだったら全力で休むわよ?なんなら明日の朝まで休みでもいいのよ?


「ああ、深呼吸でもしてろ」

 深呼吸ね!スー、ハー、スー、ハー…深呼吸してると何だか眠くなってくるわね…


「寝るなよ?」

 …分かってるわよ。


「魔力が回復したら練習再開だからな?」

 …分かってるわよ!容赦無いわね!

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