第12話

 宿でお風呂に入って腰を温めたら、だいぶ楽になったわね。助かったわ…

 レベルを上げれば腰も痛くならないのかしら?そうだといいんだけど…うん、レベルアップしてみれば分かる事ね。頑張るわ!


 それにしても何だか…ムズムズするわね。お風呂に入ってサッパリしたのに…それでもやっぱり…


「何だ、メグ?ソワソワしてどうした?」


「お風呂に入ったのに脱いだ服をそのまま着るのって、何か嫌なのよね」

 せっかく綺麗にしたのに変な感じがするのよね。


「そんな事気にしてたら、冒険者なんてやってられねーぞ?」

 そうかも知れないけど…


「ケイトは気にならないの?」

 やっぱり冒険者をやってると気にならないのかしら?


「俺はクリーン掛けたからな」


「一人だけズルいじゃない!私にも掛けてよ!」

 冒険者なら気にしないみたいに言っておいて、それじゃ話が違うわよ?


「はいはい…クリーンっと。これでいいか?」


「ありがとうケイト、スッキリしたわ!でもケイト、クリーンなんて出来たのね。羨ましいわ」

 私も生活魔法覚えたかったなぁ…何で私ってスキル覚えられないのかしら…


「今頃気づいたのか?目の前で何度もクリーン使ってたんだぞ?」


「……全然気が付かなかった」

 いつの間に使ったのかしら?


「注意力不足だな。もう少し周りに気を配れよ?ほれ、飯いくぞ?」

 ケイトのいう通りね。全体を見るってこういうとこでも必要なのかしら?




「ふーっ、美味しかったわね」

 あんまり美味しすぎて、また美味しいですわって言いそうになったわよ。


「メグ、今日はダンジョンに行ってみてどうだった?」

 ベッドに座ってるケイトが聞いてきたけど、今日の反省会かしら?そうねぇ…


「スライムはどうにかなりそうだけど、先の事は分からないわね」

 ずっとスライムと戦ってる訳にはいかないし、少し心配よね。


「分からないって何だ?」


「この先、魔物も強くなるんでしょ?私の攻撃が通用しなくなる事もあるじゃない?」

 そうなった時にどう戦えばいいか考えておかないとね。


「メグも強くなればいいだろ?」


「簡単に言わないでよ!強くなるって……レベルアップか!」

 そうよ!スライム倒してレベル100にだってなれるんだもの!


「分かってるじゃねえか。レベルアップの効果は自分で体感したろ?」


「確かに攻撃力も上がったし疲れにくくなったわね」

 私のレベルが上がれば、もっと強い魔物とも戦えるかも…


「強くなる手段は他にもあるだろ?」


「他に?」

 他に強くなる手段ていったら…


「スキルだよ、スキル。触手を鍛えれば攻撃力も上がるだろ?」

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