第11話

「よし、もう少しスライム倒したら戻るぞ」

 そろそろダンジョン探索も終わりね。


「もう少しね!頑張るわよ!」

 それからもスライムを倒してから石柱までもどったんだけど…


「ねえ?私、朝よりたくさんスライム倒したわよね?」

 2倍くらい倒した気がするんだけど…


「朝の倍以上倒したんじゃねえか?」

 やっぱりそうよね!


「それなのに朝より魔石が少ないのはどういう事かしら?」

 魔石が15個しか出なかったのよね。朝は20個出たのに…


「それが普通なんだよ。朝の方が異常だったんだ」

 やっぱりカレンさんの運が凄いのね…はぁ、運て大事なのね。


「このダンジョンで確率で魔石を落とすのはスライムだけだ。

 第四階層からは魔物がスライム以外になって確実に魔石は落とすから、そこまで頑張るんだな」


「第四階層ね!後二つくらいすぐに進んでやるわよ!」

 やっぱり魔物を倒したら何か落としてくれた方がやる気が出るわよね!


「そう焦るな。第三階層で少しレベル上げてから進んだ方がいいぞ?それに触手も使う練習しとけよ?」


「そうなの?」


「触手がメグの武器になるんだ。レベルを上げれば触手だって使いやすくなる。第三階層でレベルを上げて、触手に慣れておけ。

 先に進むのもいいけど、腰を据えてスキルを育てるのも大事だぞ?」

 そう言われると、何となくそんな気もしてくるわね。


「ケイトがそこまで言うなら、そうするわ」

 ケイトは私の専属メイドだし、冒険者としての先輩だしね。信用してるわよ?


「おう、そうしろ。経験者のいう事は素直に聞いとけ。

 明日は引率の姉ちゃんに第三階層まで連れてってもらえ。午後は第三階層でレベル上げするからな」


「レベル上げね!腕が鳴るわ!」

 また触手で叩き潰してやるわ!


「おー、気合い入ってるなぁ。けどその気合いは明日にとっとけ。

 少しは休めたな?ダンジョン出て、魔石売るぞ」

 今日はここまでね。一日頑張ったわ。


 この後ギルドに戻って魔石を売ったら3,500Gになったけど…これじゃ二人の宿代にもならないわね。もっと稼げる様にならなきゃ。


「さあ、帰るぞ」

 ダンジョンを出て、終わった気になってたけど…


「………そうだったわ」

 今から宿まで歩くのよね…忘れてたわ…


「どうした?早くしないと夕食に遅れちまうぞ?」


「分かってるわよ!…ふぅ、やってやるわよ!」

 今日はこれで最後、もう一頑張り…そう思ってたんだけど…


「…思ったより疲れなかったわね」

 宿まで歩いたのに、朝より全然疲れてないんだけど?


「レベルが上がったからな」

 …やっぱり凄いわね、レベルアップ。頑張ってもっともっとレベルを上げてやるわ。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る