第6話
「今日から冒険者になったメグです。よろしくお願いします」
挨拶は大事ってお母様が言ってたわ。しっかりしないとね。
「引率のカレンです。よろしくお願いします…そちらは?」
「ああ、俺は単なる付き添いだから気にしないでくれ」
引率と付き添いって、少し過保護じゃないかしら?
「…分かりました。では、行きましょう」
そのままギルドの中の扉を通って、石柱がある部屋に移動して…
「ここでカードを見せて…」
そのまま引率のカレンさんの言う通り進んでいくと…
「…何これ?」
これがダンジョンの中なの?畑と草原しか見えないんだけど?
「畑の方は採取依頼で来る事がありますが、今回は気にしないでください。今回は草原の方でスライムを倒して貰います」
ここがダンジョンの中であってるみたいね。不思議な空間だわ…
「分かりました!」
そんな事気にしてる場合じゃ無いわね。私の敵はスライム!負けないわよ!
「メグさん、武器は何を使ってますか?」
「ナイフです!」
ここで触手ですとは言えないわね。
「いつでも使える様に準備しておいてください。相手はスライムですが、油断はしないでくださいね。では、行きます」
三人で草原に向かって歩いていくと…
「止まってください…あそこにいるの、分かりますか?」
ほんとだ…気をつけて見ないと分からないものね…
「触れなければ近づいても大丈夫です。近くで体勢を整えて、一気に仕留めてください」
…ナイフがあれば、大丈夫よね?
「…行きます。それっ!」
ナイフの柄を両手で握り地面に拳を叩きつける様にスライムを突き刺すと、ナイフの刃は抵抗なくスライムの身体に沈んでいったわ。ナイフの刃は草原まで到達して…
「やったわ!倒せたわ!」
スライムが溶ける様に消えていったわね。何かしら?何か落ちてるみたいだけど…
「初討伐おめでとうございます。それに魔石まで…運がいいですね」
「運がいい?」
どういう事かしら?
「スライムの魔石のドロップ率は2割から3割くらいなんです」
そんな低い確率なのに魔石が出たのね。それは幸先いいわね。
「次に行きましょう。今日のうちにレベルアップが目標ですからね」
その後、次の階層に進む石柱に向かって進みながら、スライムを20匹倒してレベルアップしたんだけど…
「…私、運がいいのかしら?」
…全部のスライムから魔石が出たのよね。
「……………」
ケイトも難しい顔して黙ってないで、何か言ってよ!
「…とりあえず第二階層の石柱に登録だけして、ギルドに戻りましょう」
そうね、歩き通しで疲れたし…レベルアップで少し楽になった気はするけどね。
もっとレベルが上がれば疲れなくなるのかしら?レベルアップ、頑張らなきゃ!
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