午前二時 散歩
陽が沈んだ後でする散歩が好きだ。住宅街から人の気配が消える。世界が自分一人になったみたいだなんてのはありきたりだが、本当にそういう感覚だ。否定も肯定もない。
「邪魔だ。どけ。」
自動販売機に群がる
「人間か。」
声の主はそれはそれは
ただ見ることしかできない。その綺麗な瞳。綺麗な毛。綺麗な歩き姿。彼が通り過ぎた後は冷たい風が流れた。
「おい。」
「は、はい。」
捻り出した声は彼に届くか怪しいほど細い。
「
「え、」
言葉を理解するより先に彼は暗闇に消えていった。
***
目が覚めて机の上に広げられたままのノートに気がついた。ノート書かれたこの文章は明らかに自分の字だが、このような記憶は一切ない。
1ページ小説 鷲山電気屋 @ookinakoe
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