第27話 お姉ちゃんが最近参加したコミュニティーを特定せよ!

「さあ、お姉ちゃん好きのみんな! はりきってコミュニティーを探してみてね! じゃあさっそく1つ目のヒント。お姉ちゃんが最近訪れた国を教えてください」


「最近? 期間があいまいですね。たくさんの国を行き来していますから、どれと言われても難しいです」


「そうだよねー。お姉ちゃんはいろんな国にいくよねー。ここ1週間でも3つ? 日本、イングランド、ノルウェーに行ってるもんね。あ、一瞬だけ1人でドイツにも視察に行ってたかな」


 まずは第1ヒント終わり。

 さあ、みんなわかるかな?

 お姉ちゃんはたくさんの国を訪れていますね?


“≪やはり日本なのか?≫”

“≪おそらく日本に関係する趣味だろう≫”

“≪落語、日本茶、富士、京都≫”


 日本に引っ張られちゃってるかー。ちょっと難しかったかな?

 でもまあ、これくらい難しくないとすぐにわかっちゃったら困るからね。


「じゃあ2つ目ー。お姉ちゃんが最近食べておいしかったものを教えてください」


「そうですね。これははっきりと。ライトが作ってくれたほうとう、とんかつ、とんこつラーメン、それから――」


「はいはい、ブブー。わたしが作ったものは禁止! 外食に限りますー」


 それだとヒントにならないでしょ!


“アクア様料理得意なんだ”

“ラーメンも作れるのか”

“≪アクア結婚してくれ≫”

“意外と家庭的”


 コメント欄が変な方向に……。


「意外は余計です! 人並みにはできるって程度だから変な期待しないでよね。さ、お姉ちゃん質問に答えて!」


 みんなわたしのことなんだと思ってるのよ。

 って、わたしじゃなくてアクア様か。アクア様の見た目で料理してたらちょっと意外かもしれない。うん、意外かな……。料理はお抱えシェフが作ったものを食べるって感じするもんね!


「外食ですか……。それでいえば、先日の京都で食べた精進料理は興味深かったですね。その前に行った南インドで食べたカレーも初めての体験でした。フィンランドで食べたトナカイ料理もなかなかのものでした」


「いろいろ行ったねー。その中だとわたしが印象深いのはカレーかな。日本のお米とはぜんぜん違うけどインドのお米もおいしかったな。カレーも油ギトギトじゃなくて食べやすかったね」


「ええ、また行きたいですね。他の地方のカレーも食べてみたいです。北インドでは豆カレーがおいしいと聞きました。食べてみたいです」


「それもおいしそうね。カレーをスパイスから自作するのはとても難しいから、料理人が作ったものが間違いないと思うの」


“カレーか”

“≪日本ではないのか≫”

“インド?”

“≪でも話の中に京都は出てきたね≫”

“≪精進料理とはどんな料理なんだい?≫”

“精進料理はビーガンに似ているけど、仏教由来だから野菜の中でも使えないものがあるってところかな”

“≪興味が湧いてきた。ありがとう≫”


「みんなは好きな料理をコメント欄で教えてね。じゃあ、最後のヒント、3つ目!」


 最後はわかる人はわかるかもしれない大ヒント!

 ライトお姉ちゃんのことを気にしてみている人ならもしかしたら⁉


「最後はー、お姉ちゃんはどんなダンジョンが好きですか?」


「どんな……と言われても難しいですね。アクアの修行にふさわしいダンジョンなら――」


「お姉ちゃんブブーだよ。今はお姉ちゃんの話をしてるのー」


「そうですか……。お姉ちゃんは……Hmm……程よく水場があったり、火山型のダンジョンが好きかもしれないです」


 悩んだ結果の答え。

 ギリギリ答えは言わずに、でも確実にヒントになっている回答だね。

 なんだ、ノリノリじゃない。ホントはみんなに見つけてほしいのかな?


「なるほどねー。たしかに好きそう。火山はいいよね。燃と焔も喜ぶし!」


「燃と焔にはいつも助けてもらっています。ありがとう」


 お姉ちゃんの感謝の声に、燃と焔がそれぞれ一鳴きして答える。

 そうね、でもそのシーンは一度も配信で流してないからヒントにはならないかもよね?


 あ、今やったよ!


 んー、でも素早すぎて普通の人には見えないか。


「はい、じゃあこれで3つのヒント終了! みんなわかったかな?」


“えーもうちょっとヒント!”

“せめてコミュニティの大きさとか”

“≪日本、京都、火山……大文字焼か≫”

“≪ぜんぜんつながらない≫”

“難しすぎる”


 さあ、正解にたどりつける人はいるかな?

 コメント欄を見るに、ちょっと難しかったかなあ。

 スロー再生したらわかるのかもしれないけど、いつスローで見たらいいのか特定できないと厳しいかな?

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