第7話 耳かきは王道だよね?


「やってくれるんだ」


「ふふっ、今度はわたしがあなたのご主人さまだね」


「何からしよっか」


「そうだね……じゃあ、おすわり」


(床に座る音)


「うん、可愛い!」


「よくできました」


「……頭、撫でても良い?」


「ふふっ。よしよし」


(頭を撫でる音)


「いい子、いい子……」


「可愛いワンチャンね……」


「次は……お手!」


(手を触れる音)


「あなたの手……気持ちいいね」


「え? あっ……そ、そっか」


「この姿勢だと……」


「スカートの中のパンツが見えちゃう!」


「あっ、こ、こらっ。見ようとしちゃダメっ」


「もう……ダメなワンチャンだね」


「あ、あなたになら……別に見られてもいいけど」


「でも、それはもっと別の機会だね」


「べ、別に変な意味じゃなくて……もうっ!」


「変な意味しかないといえば、そうかもだけど……」


「も、もっと健全なことをしてあげる!」


「……ちょっとまってて」


(歩いて、引き出しを開けて戻ってくる)


(ソファに座る音)


「こっちに来て? 膝枕してあげる」


「ワンチャンのあなたに、特別なご褒美」


「耳かきをしてあげるの」

(膝に頭を載せる)


「こ、これはこれで恥ずかしいね……」


「でも、あなたのためだから」


(耳たぶを触ったり、引っ張ったり、つまんだりする音)


「耳かきする前にね……耳のマッサージをして血行を良くするほうが良いんだって」」


(耳を揉む音)


「どう? マッサージ、気持ちいい?」


「ふふっ、嬉しいな」


「次は……ウェットティッシュで耳を拭いてあげる」


「綺麗にしておかないと、炎症を起こしちゃうかもしれないから」


(きゅっきゅっと耳を拭く音)


「あなたが痛い思いをするのは嫌だものね」


「さて、と」


「耳かきをします!」


「期待していてね」


「くすっ」


(耳かきをする音)


「どう? 気持ちいい?」


「気持ちいいなら、嬉しいな……」


(耳を優しくかいていく)


「ふふっ」


「今度は反対側」


(もぞもぞと動く)


「気持ちよさそうだね……」


「それに、眠そう……」


「寝ても良いんだよ?」


「え? こんな貴重な機会に寝るわけにはいかない? もうっ」


「こんなことぐらい……いつでもしてあげるのに」


「ううん、もっとすごいことをしてあげるのに」


「でも、今は……」


(接近して)


「あなたがリラックスしてくれれば、わたしは満足」

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