第8話 添い寝とお着替え
「ふふっ。犬のあなたもすっごく可愛い」
「ずっと見ていたいぐらい……」
「けど……」
「やっぱり、わたしがペットの方が性に合ってるかな」
「あなたはどっちが好き?」
「ふふっ、やっぱり、犬のわたしを見たいんだ」
「わんわん、くーん、きゃんっ」
「どう? ワンチャンの鳴き真似もうまくなってきたかも」
「意外と楽しいし」
「首輪とかつけたら、もっとそれっぽくなるかも!」
「さ、さすがにそれは変態すぎるかな……」
「あとは床の皿の水をペチャペチャと舐めたり……」
「え? 大事な幼馴染にそんなことをさせるわけにはいかない?」
「そ、そうだよね……ありがと」
「それじゃあ、どうしようかな……」
「じゃ、じゃあさ……あなたが考える方法で犬のわたしを甘やかしくてくれない?」
「添い寝……?」
「う、うん……いいけど。で、でもお父さんたちが帰ってきたら、なんて言われるか……」
(スマホの通知音。スマホを操作する)
「え……?」
「お、うちのお父さんたち、雨がひどくなったから帰ってこれなくなっちゃったみたい」
「あなたの家はもともとご両親が今日はいないから……」
「今夜はわたしたち、二人きりで過ごすことになるんだ……」
「じゃ、じゃあ……わたしの部屋の……お布団に行く?」
(立ち上がり、歩く音。移動していき扉を開ける)
「ちょ、ちょっと待ってて。布団を敷くから」
(布団を敷く音)
「こ、これで良いかな……」
「あっ、でも、スカートがしわになっちゃうから……」
「わたしは寝間着に着替えた方が良いかも」
「う、後ろ向いてて?」
「部屋の外には出なくてもいいから」
「あなたなら……変なことはしないと思うし」
(服のある棚へと移動。後ろを向く)
「み、見ちゃダメなんだからね……?」
(衣擦れの音)
「あなたがいると緊張するな……」
「今、振り向いたら、わたしは下着姿なんだよ。ふふっ」
「あ、あなたなら……見られてもいいかな」
「ううん、見てくれると嬉しいかも……」
「でも、それはもっと先だよね」
(そのまま着替える音)
「はい。寝巻き姿の幼馴染です!」
「どうどう? 可愛い!」
「え? すごく可愛いって……そんな、照れちゃうな」
「ふふっ、でも嬉しい」
「寝巻き姿を見せるのって、久しぶりだよね」
「小学生のころは一緒にお昼寝してたのにな……」
「今はもう……高校生だものね」
「お互い大人になったから、気軽に一緒に寝たり、お風呂に入ったりなんてできないけど」
「でも、今はご主人さまとワンちゃんだから」
「ちょっとぐらい大胆なことをしてもいいよね?」
「じゃあ、ペットのわたしと添い寝しよう!」
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